鳥取県のまち歩きツアー団体「よどえまるごと道草日和」さんから依頼をうけまして、講演&ワークショップをやってまいりました。
エリアを限定したツアーって血がかよってて、おもしろいですね。
はい、どうも松澤です。
ついせんじつ『町を別視点で観てみよう』という講演会&ワークショップをやるため、鳥取県淀江に行ってまいりました。
毎年30個ほどのまち歩きツアーをやってらっしゃる「よどえまるごと道草日和」さんからのご依頼でございます。
いままでもバラエティー寄りなイベントのゲストで呼ばれることはあったけど、講師としてお声がかかったのはたいそうひさしぶりのこと。
観光会社をつくったことで、そういうかっちりしたお話しもちらほらいただくようになったので、会社ってつくってみるもんですね。
(お仕事依頼に関してはこの記事にくわしく書いてあります)
いままでもバラエティー寄りなイベントのゲストで呼ばれることはあったけど、講師としてお声がかかったのはたいそうひさしぶりのこと。
観光会社をつくったことで、そういうかっちりしたお話しもちらほらいただくようになったので、会社ってつくってみるもんですね。
(お仕事依頼に関してはこの記事にくわしく書いてあります)
▲よどえまるごと道草日和の田中さん(左)とわたくし松澤(右)
講演会のまえにまち歩きタイムもあったんですね。
まち歩きタイムについては、よどえまるごと道草日和さんに基本ガイドをしていただき、私は別視点的なコメントをそえるという役割。
普段のツアーでは何回も下見にいきますし、けっこう下調べして挑みますんで、添え物にしたって初見の町での瞬発力勝負はなかなかきびしい。
というわけで、前日入りしてよどえの町を案内していただきました。
案内いただいた田中さんはこの仕事についてからというものの、ページ数600P超え、重さ2㎏の「淀江町史」がすっかり愛読書になったそう。この本、超気合がはいってて『どこに誰が住んでるか』はもちろんのこと、『町にある墓の配置』まで書かれた一冊なんです。
▲淀江の町並み
▲路地がおおい
▲駅舎よりトイレのほうが大きい。トイレが家型はにわのかたちになってる。
▲ピクトグラムもはにわですね
▲大火事で町が焼けた歴史があるので、あっちこちに消火栓があります
▲石に彫られた賽の神さん(≒道祖神)も80体ほどあるそうです。正装してて上品ですね。
町を案内してもらいながら歩いていたら、近所のおばあちゃんが「このへんはねえ~……」と昔ばなしをしてくれる。こうやって知識が厚くなっていくんですね。
●たんなる観察者ではない。淀江のまち歩きには血がかよっていた
▲参加者のみなさんとぞろぞろ歩く
40名ほどの参加者にお集まりいただき、いままでで一番参加人数が多かったそうです。地方紙の記者やテレビカメラも加わって、なんだかわけのわかんない集団と化していました。
講演前日に「別視点ガイドのファンがあつまってるんですよ!すごいですよ!!」とおだてられ「いえいえ、そんなことはないですよ~」と謙遜したのですが、じっさい集まったかたがたに「別視点ガイドを知ってるひと~!?」と挙手をしてもらったところ、1人しか手をあげませんでした。
つくづく調子にのらなくてよかったです。
ふだんやってるツアーやトークイベントとくらべて、あつまっていただいた方々の年齢層もちがうし、ファミリー層も多いしで「いつもの調子でウケるのだろうか」と不安もありましたが、いざやってみたら杞憂でしたね。
「七福神めぐりをしながら落ちてる手袋をさがすツアー」や「ひたすら植木鉢を鑑賞するツアー」のことを事前にはなしていたので、「あ、これ介入型の片手袋じゃないですか!」とかみなさんすぐさま活用されておりました。
まち歩きをしていて印象的だったのが、参加者のみなさんの知識がとにかく深いってこと。
自分たちの町のことなので、文字で知ってるだけじゃなく、体で分かってるわけです。
たとえば、賽の神さまにそなえてある藁馬について。
「藁馬づくりが得意な人が町に数名いて、その作風で誰がつくったのか分かる」とか「賽の神さんを信仰している人が公民館でつくる会をやってる」とか、そんなのここに住んでなきゃわかんないよって情報をたしてくれるんです。
ガイドと参加者がいっしょに作りあげるツアーってかんじで「あ~エリアを極端に絞ってのツアーって、血が通ってておもしろいな」とおもいました。
これは「札打ち」というこの地方特有の風習。
四十九日の命日まで七日間おきに、亡くなったかたの名前や享年が書かれた札を地蔵尊に貼っていくんだそう。
これも「~~という風習だそうですよ」という観察者の解説ではなく、「町中の地蔵にはってまわるからけっこう歩く」とかあくまでプレイヤー目線だったのが熱いですね。
1時間ほどまち歩きをしたあとは講演会。
あえて講演タイトルを「町を別視点でみるたった1つの方法」とウェブ記事の釣りタイトルっぽくしてみました。1つじゃないですけどね、ほんとは。無限です、無限。でも無限個、紹介するわけにはいきませんからね。
「いままでにやったツアーで見えた視点」や「珍スポットにはこんなタイプがあるんですけど、みなさんのお近くにもあるんじゃないですか?」という話しを90分ほどしました。
話した内容をふまえて、最後はワークショップ。「じゃあじっさいツアーを作ってみよう」ってテーマです。
それまで話していた内容が内容なので「あ、なんでも有りなのね」とおもっていただけたようで、終了時までにかなりの数の愉快なツアーができあがりました。なにかを突き詰めた人たちとか珍スポットのおじさんたちの話しをきいてると「なにやってもいいんだ!」って背中押してもらえるんですよね。私はいつもグイグイ押されて生きてます。
なかでもよかったツアー案は、来年度のよどえまるごと道草日和で実行されるかもしれないそうです。
講演会を終えて、実行委員会のみなさんとバイバイ。
電車にのって帰りましたとさ。こうして、熱いまち歩きツアーや町おこしイベントしている各地のかたがたと繋がっていくのは、こちらとしてもおもしろいし、すごく刺激をうけますね。
こういう講演会やらワークショップも引き受けていますんで、お仕事依頼の記事の問い合わせフォームからどうぞお気軽にご連絡くださいませ~。