160313_nakagin-24

2017年6月10日(土)に「普段は中にはいれない中銀カプセルタワービル ガイドツアー」をおこないます。



160313_nakagin-24

中銀ビルといえば、昭和を代表する黒川紀章の代表的建築物。
取りかえ可能なカプセル状の部屋を140室くっつけた異形のマンションだ。
世界中の建築好きがやってきては外観の撮影をしているけれど、住居用・オフィス用のマンションなので普通は中に入れないスポットである。

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表にして、カプセルをなんと14室も保有している前田達之さんにおまねきいただき、カプセル内部を巡るツアーをおこなうこととなった。
カプセルは全部で140室なので、そのうちほぼ10%を保有していることになる。
(※2016年に2回おこなった。そのさいのレポはこちら

今回は中銀カプセルタワービルに以前住んでいらっしゃった建築家・藤野高志さん(生物建築舎代表)にもガイドをおこなっていただき、建築物としてのカプセルタワービルについても解説をおこなっていただきます。



160313_nakagin-29

160313_nakagin-26

 中銀ビルは13階建てで、エレベーターも設置されている。
中央に2本立っている柱のような建造物に、カプセル(部屋)を1つ1つ取りつけられ、ある程度の時期が経過したら、新しいものに取り替えていく予定だったとか。
人間の細胞のごとく、新陳代謝(メタボリズム)することから、メタボリズム建築と呼ばれている。   実際にはカプセルは1度も取りかえられておらず、すべてのカプセルは1972年の建築当時そのまんまだ。
築45年とあって2007年には建て替え決議がされたものの、文化財として残したいという反論もまた湧きだし、いまなお議論がつづいている状態だ。    



160313_nakagin-3
▲床や壁がキレイにリノベーションされた1室  

160313_nakagin-11
▲宇宙船をおもわせる収納デッキは当時のまま。  

160313_nakagin-14
▲周波数を自分で合わせにいくラジオ  

160313_nakagin-1
▲オープンリールの再生機

6e2c751d-s
▲パソコン作業をすると「夜明けのヨガ」みたいなムードになる

160313_nakagin-4
▲窓を開けているのは、今回ガイドをしていただく前田達之さん。  

長い期間オーナーが放置していたカプセルは、かなり劣化がすすんでいるので、前田さんが買ったさいには大規模なリノベーション作業をおこなっている。もともとは同じ作りのカプセルだったのだが、リノベーションや住人のアレンジにより、いまとなっては1つ1つのカプセルが個性を発しているのが面白い。  

「秘密基地みたいな中銀ビルに、社会人になりたてのころから憧れていたが、2007年に建て替え決議されて、カプセルに入る夢が閉ざされたと思った。でも、2010年に売カプセルのビラが貼られていることから購入をはじめ、いつしか13室を持つまでになった」とのこと。  

カプセルは建築当時のままなのだが、住人のほうが新陳代謝されていき、現在は、若いデザイナーや建築家、カメラマンやキュレーターなど多種多様な職種の人間が、住まいに、事務所に利用している。   カプセル内部はちっこいので、本気で生活するには必然ミニマリストにならざるをえない。
廊下にはみでた靴や自転車などの私物から、住人たちのパーソナリティーが垣間見える。  



8f00aeb9-s
▲40年前の建築にもかかわらず、未来感のあるユニットバス入り口  

160313_nakagin-9
 ▲はめ込み式の丸みのあるユニットバスは、中銀オリジナルのオーダーメイド製  

ハイセンスで近未来的なイメージが先行していたが、じっさいに入室してみると「築45年のマンション」という側面が顔をのぞかせ、なんだかすごく愛着が湧く。  

ビルの給湯器が壊れているので、シャワーはお湯がつかえない。 銭湯に足を運んだり、人によっては近くのジムに入会して、トレーニングついでにそこのシャワーを使ったりするとか。気合いの入った人は水シャワーでしのいだりするそうだ。  
シャワーにせよ、収納にせよ、中銀ならではの制約がある。
そこいらへんの制約を、住人たちはどんな工夫で乗り越えているのか「カプセルで生活するための収納術」「生活TIPS」も、ガイドの前田さんにあれこれお話しいただける。      



160313_nakagin-21

160313_nakagin-22
▲窓の目隠しも、独特な形だ。        



【「中銀カプセルタワービル」の内容】

  1:中銀カプセルタワービルをガイドしてもらう  

160313_nakagin-12

普段は入ることのできないカプセル内部に入り、その構造を解説してもらいます。
未来感あるデザインや、つけかえ可能な仕組みなど、中銀ならではの工夫がこらされてます。      



2:「カプセルトーク」を楽しむ  

160313_nakagin-10

前田さんが所有しているカプセルのなかでスライドショーを行います。
話しの内容は「狭小スペースで生活する知恵」「中銀にこんなスゴイ人が来た」「修復作業にまつわる苦労話」などなど、中銀のリアルを知ることができます。  
よく住人同士の飲み会を開いてるそうなんですが、お茶でも飲みながらくつろいでスライドショーを観ることで、中銀での生活を疑似体験できますね。  

※2016年4月におこなったさいのレポートはこちら    



【「中銀カプセルタワービルツアー」の詳細】

  ■日時
2017年6月10日(土)14時~16時30分ごろ 
※イベント開始15分前からビル前におります  

■ツアー場所
中銀カプセルタワービル(google map
※住所:東京都中央区銀座8丁目16−10 銀座中銀ビル
※アクセス:「新橋駅」「東銀座駅」から徒歩6分ぐらい  

■料金
4500円 
※現地にてスタッフへ手渡ししてください  

■定員
10名  

■ガイド
前田達之(中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表)/ facebookページ
藤野高志 (生物建築舎代表・建築家)

■ツアー内容
中銀カプセルタワービルを保存再生プロジェクト代表の前田さん、以前カプセルタワービルに住んでいたこともある建築家・藤野さんにガイドしていただきます。 
カプセル内部にはいって「中銀での生活のお話」や「建築物としての中銀ビル」などについてお話しします。  

■申し込み方法   
※満員につき締め切りました