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2016年4月16日(土)に「普段は中に入れない『中銀カプセルタワービル』ガイドツアー」をやりました! ツアーのレポート記事です。



 

中銀カプセルタワービルは、黒川紀章設計の世界的にも有名な建築物。
日本のみならず、世界中の建築好きが一目見ようと集まるビルだけれども、住居用・オフィス用のビルなので、表題通り、普段であれば中には入れない。  
今回は、140個のカプセルのうち、じつに13ものカプセルを所有されてらっしゃるオーナーであり、「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」代表ででもある前田達之さんにガイドにたっていただいた。
前田さんが所有するカプセルのなかに、特別に入らせていただくというツアーなのだ。      





昼からの1部、夕方からの2部と2回にわけて応募をかけたのだが、定員10名ということもあり、どちらも5分とたたずに満員締め切り。
それだけに、かなり熱い想いを抱いた建築関係者の参加が多かった。



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ツアースタート。 まずは、内部に入るまえにベストビューポイントを3つ巡る。    





高速道路挟んで向かいの歩道橋からは、カプセルタワービルの正面部分がばっちりおさめられる。
カプセルは床面積10平方メートルで、滋賀県の工場から完成品を1つ1つトラックで輸送して、取りつけたんだとか。
特徴的な丸い窓を覆うのが、キレイなカーテンだったり、はたまた新聞紙であったり、オーナーたちの個性的な暮らしぶりがちょっとだけ垣間見える。      



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見上げるような角度で、写真を撮れるポイント。    



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カプセルタワービルの目の前にある地下駐車場。
そのど真ん中という変わった立地にある「帝里加(デリカ)」は、カプセルの住人たち御用達の中華料理屋だ。    



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店頭に、日替わりランチの見本が置かれているのだが、ご飯や味噌汁・冷ややっこなど替わらない部分は、容器にラップしてカラーコピーしたものを貼りつけている。



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外観をしっかり堪能したら、いよいよ、カプセルタワービルの内部へと足をすすめる。  
ツアー後に建築を専門とされていらっしゃる参加者の方たちとお話しさせていただいたのだが、「中銀のどの部分がお好きなんですか?」と尋ねたところ 「まず、この柱!なだらかに描いたカーブに、小さなタイルをわざわざ手作業ではってるんです!」 「入り口ドアもいいですし、受付も相当いい素材を使っています!」 「オーナー側と設計者側、双方の尋常ではないパッションがなければ、こんなに手間のかかった集合住宅は作れません!」 と熱い想いをぶつけていただいた。      



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ちいさなカプセルのなかに、スタッフ含めて十数名がびっしり入った。
当時のままに残っている棚や収納には、小さな空間で暮らすための知恵が詰めこまれていて、そこいらへんをガイド前田さんにみっちり解説していただいた。    





実際入ってみると、なんとも愛らしいサイズ感で住みたくなるんですよね。


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その後は、1時間ほどカプセルタワービルについてスライドトーク。
主なトピックは
●発売当時のパンフレットやカプセルの販売価格
●オーナーが放置していた廃墟カプセルを再生したビフォーアフター
●狭小空間での生活の工夫
●住人間には独自のコミュニティーができている
●ワイドショーや新聞などメディアでの取り上げられかたの違い
●あの世界的有名人たちもおとずれていた!
などなど。
カプセルオーナーとして、保存再生プロジェクト代表として、活動されているからこその情報が満載であった。    


 
最後は1人1人撮影タイムをもうけて、思う存分、写真におさめてもらった。
昼に参加された方が撮影されたのが↑こちらで    




夜の参加者が撮影されたのがこちら。 時間帯によって、窓からの風景の見え方がまるで変わってくる。



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高速道路が暖かいオレンジ色の光につつまれて、幻想的だ。      




大変好評でしたし、「参加したかったけど申し込み間に合わなかった!!」との声もかなりいただいてるので、また第2弾をおこなう予定です。 ご期待くださいませ~。  


【ツアーにご参加いただいた方の感想ブログ】
中銀カプセルタワービル見学会(「エスニック料理と旅 綿貫堂」)    

【ガイド】
前田達之 (中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト代表)/ facebookページ    

【撮影】
齋藤洋平(instagram)