2016年夏、猪苗代町地域おこし協力隊の國分さんからのお声かけがきっかけで「福島県猪苗代町1ヶ月住みます会社」を実行することになった別視点一行。
どういう思惑があって別視点に声をかけたのか、どんな課題があるのか。
1ヶ月生活の初日に泊まってるホテルで座談会を開いた!
2016年夏、猪苗代町地域おこし協力隊の國分さんからのお声かけがきっかけで「福島県猪苗代町1ヶ月住みます会社」を実行することになった別視点一行。
2017年9月12日~10月12日までの1ヶ月間、猪苗代町に移住して、福島県内を取材しまくり、記事にしたりリアルイベントを行ったりする。
〇どういう思惑で猪苗代の地域おこし協力隊は別視点に声をかけたのか。
〇どんな課題を感じているのか。
〇1ヶ月住みます企画で何を狙っていくのか。
1ヶ月住みます企画の初日、我々が泊っているホテルで緊急座談会を開いた!
※「福島県猪苗代町1ヶ月住みます会社」の企画詳細はこちらをどうぞ。
観光客の90%が野口英世記念館のアクセスを聞く
▲左から地域おこし協力隊の吉井さん、別視点の松澤、地域おこし協力隊の國分さん、別視点の斎藤
そもそも國分さんが我々に声をかけてくれたわけですけど、どういう成り行きだったんですか?
最初は「別視点はこういう仕事がやれるしやりたい!」って記事を役場で見て、別視点さんのやりたい仕事と猪苗代でやってほしいことが、ちょうどマッチングするんじゃないかと思ったんです。
それで猪苗代に来て欲しいって連絡しました。
なんで来てほしかったんですか?
別視点さんと我々で一緒に福島県の新しい観光スポットを発掘して、WEBやパンフにまとめたら面白いんじゃないかと。
そのあとツアーを組んで、福島に人を連れてきて欲しいなと思いました。
震災以降、観光客は減っていて今までと同じ観光情報だけだと衰退する一方だと思って、新たな視点で福島の観光地開発をしたい気持ちがありましたね。
福島県の魅力の出し方に不満がある?
猪苗代に関していえば観光客の90%が猪苗代湖か野口記念館へのアクセス方法を聞いてくるんですね。
それを崩したかった。もっと選択肢を増やして、いろんなところを見て回れる、そんな風にしたいんです。
でも結局、別視点さんも野口記念館行ってますからね………(笑)
そりゃあ行きますよ!野口記念館、やっぱり面白いですもん。
我々も普通の観光地に行かないわけじゃないし、斎藤さんはガチの野口英世ファンですから!
行かせてくたされ。行かせてくたされ。はやく行かせてくたされ。
出た、野口シカ(野口英世の母)のモノマネ。
野口英世がアメリカに行って忙しくて帰国できなくて、お母さんのシカが寂しくてどうしようもなくて、学校行けずに字が書けなかったのにいろりの炭で勉強して字を習って、息子に手紙を書いたんですよ!おまの出世にはみなたまげております、はやくきてくたされ、はやくきてくたされ、はやくきてくたされ、いっしょうのたのみでありまする。けして上手い字じゃないですけど気持ちが伝わってくるじゃないですか!!
…すごい熱意……なんかすみません
視点を変えて、観光地を増やしたい
國分さんはこの「福島県猪苗代町一ヶ月住みます会社」の企画を通して、どうなったら成功だと思いますか?観光客を増やすのが目標?
最終的に観光客が増えればそれはいいですけど、その前に観光地を増やしたいんですね。
いくつも選択肢があって、こういうところがありますよって提案できるような地域になったら嬉しいです。
1ヶ月という期間は長くもあるし短くもあります。その期間で本格的に観光地を見つけて増やすのは、なかなか難しいことだと思います。
だから、30年後も別視点さんが福島でツアーをしていて、我々ともずっと交流してるほど、福島を好きになってくれたら成功だと思っています。
たしかに別視点は地元の人が観光スポットと思ってないようなとこばっかり巡りますし、紹介しますから。そこは力になれますね。
新しいことやらなきゃいけないのは分かってるけど、我々もまだ手をつけきれていないので。
一緒に探してほしいですね。
協力隊なら「1日駅長になる条件」が怪しまず聞ける
國分さんはなんで猪苗代の地域おこし協力隊になったんですか?
普通の会社員では会えない人たちにガンガン会えるからです。
今日も、猪苗代駅の駅長さんに「1日駅長」になる条件を聞いてきました。
これ普通の会社員でしたら、ものすごく怪しまれるし、きちんとした回答をしてもらえないかもしれません。でも地域おこし協力隊だと構えられず1秒で回答してもらえます。この特性を生かせるのは大きいですね~。
去年2016年7月からやってます。生まれ育った地元は福島県の須賀川ですね。
1日駅長の条件聞いてくる普通の会社員は、そりゃ、完全にヤバい奴ですわ。
地域を起こしてみたかったんですか?
地域をおこしたいというか、今の福島にもっと「ゆるさや、くだらなさ」が必要だと思っていました。
初期の風とロックや箭内道彦さんがその役割を果たしていたんですが、次は別視点さんなんじゃないかと閃いてすごく興奮したのを覚えてます。
だから、この1ヶ月住みます会社企画が終わったら、箭内さんに会って講評していただけたら嬉しいですね。
福島県いわき市のこけし職人さんから「國分さんは楽しいですか、人生。我々のやってることは生産なんで、新しい価値作りだせて楽しいですよ」って言われて、ガツーンと衝撃を受けまして。
私がやってることは消費ばっかりだって思ったので、このままで良いのかと。
それで、こけしとかかわれるような仕事がしたいってのも動機としてありました。
こけし、いいですよね。僕も好きです。
猪苗代にはこけしもあるし、中ノ沢温泉もあるし。
中ノ沢温泉って山道走ってると急にドンって現れるんですよ。
こういうところで経営してる人ってどういう人なんだろうなって興味があったので、温泉とも関わりを持ちたかった。
今は中ノ沢温泉の旅館とも関係が出来て、布団敷きとかもさせてもらったので満足してますね。
地域おこし協力隊をやり始めるときに目標ってありましたか?
100個くらいありました。
ありすぎ!
さすがに全部は言えないので3つだけ言いますね。
まずは、下里工芸と面白いモノを作っていくこと。
▲下見取材のときに連れて帰ったバイク乗りアンパンマン
ああ、元セメント会社の社長さんが独特なオブジェを作りまくってるとこですね。
あそこ最高ですよね。2013年に取材したこともありますし、こないだ下見で福島来た時にアンパンマンとバカボンパパのやつ買いました。
國分さん、あそこの作品すっごい沢山買ってますもんね。
▲福島空港の「ふくしまつながる自販機」で新たな名物を販売している
2つ目は新たな珍スポットを経営することで、3つ目は県を代表するお土産を作ること。
これは自分が福島空港で運営してる「日本きっかけデパート2F」で少しずつはじめています。
協力隊を始めたばかりのころは、慣れない仕事ということもあって不安でしたけど、今年4月に吉井が入って来て動きやすくなりました。
そうですか。
吉井は中ノ沢温泉の人と繋がってるのでやりたいことがあればそこでやらせてもらえるし、よそに提案しにいく時も2人で行くと話しがしやすいです。
2人を見てて感じるんですけど、コンビとしてのバランスが絶妙なんですよね。
ガツガツ前に進む國分さんと冷静沈着な吉井さん。ボケとツッコミみたいな感じで、コンビになってリズムが生まれたのかもですね。
それで、今はすごく気持ちが楽ですね。
2か月に1回、猪苗代の温泉旅館に通いつめてた。それが移住のきっかけ
吉井さんが猪苗代の地域おこし協力隊になったのはどういう経緯ですか?
僕は生まれも育ちも千葉県で、社会人になってからも千葉の警備会社で2年働いてました。
それがなぜ猪苗代?
猪苗代の中ノ沢温泉にある磐梯西村屋さんに、子どものころからよく来てました。
中ノ沢温泉は単一口の源泉湧出量でダントツ日本一で、昔っから湯治に使われてたんですね。
それこそ母親のお腹に入ってる頃から通ってるのでもう24年になりますね。
僕の祖父母の代から西村屋には通いはじめてて、湯治のために3週間逗留しては帰るを繰り返してたみたいです。
▲中ノ沢温泉の磐梯西村屋
この企画のラスト2週間、僕たちが逗留させてもらう旅館ですよね、磐梯西村屋さん。吉井さんが企画を説明してくれて、全面協力してくれることになりましたね。
どれくらいのペースで通ってたんですか?
子供のころはそうでもないですよ。年3~4回です。
いや!充分多いでしょ!
2011年の震災後は2ヶ月に1回は行ってましたね。1人でも車で行きましたし。
なんで震災後にペースが増えたんですか?
震災直後のゴールデンウィークに来たらガラガラだったんです。
有り余る吉井家の資産をすこしでも福島に落としたいって来てたんですよ。
有り余ってるわけじゃないですよ!
でも、どこか出かけようって時は中ノ沢温泉ばっかり選んでました。
家族旅行もそうだし、友だちも連れていったし。
ほんとに好きなんですね、西村屋さん。
子供のころから好きだったんですか?
そうですね。
帰ってきたら「また行きてー」ってなってたし、別のとこ行こうよとはなんなかったですね。
親にどこ行きたいって聞かれたら「福島!」って答えるような子供でした。
そんなに猪苗代ばっかり来て、何してたの?
西村屋にいるか、西村屋の館主やっちゃんとあちこち出かけたり、バーベキューしたり。
何をするってより、のんびりしに行くって感じでした。
大学の4年の時には1ヶ月間、西村屋さんで暮らしてましたよ。
え?暮らす??
猪苗代の小学校で教育実習したんです。
教育実習ってだいたい出身校でやるんですけど、どうせなら猪苗代でやりたいって思ったので調整してもらいました。
なにかしら猪苗代で住みたい、働きたいって思ってたので。
その時、西村屋さんで暮らしてたんです。
マジで猪苗代に惚れこんでるね
教育実習やってる時は先生になりたいと思いましたね。
自分の小学校とはぜんぜん違った。先生と子供の距離、先生と保護者の距離が近いんです。
それこそ保護者が校長室に入って話ししたりも普通だし、近いってのは良いなって。
そこまで気持ち高まって、なんで警備会社?
そのあと、なんでか警察も良いなって思ったんです。ぼくのおじさんが刑事だからよく話を聞くんですよ。
それで警察にこそなれませんでしたけど、その流れで警備会社に入りました。すごくやりがいのある仕事でした。
でも、警備員の仕事、怖くてやめたんでしょ?
センサーが反応したらその家に向かうんですけど、ネズミとかゴキブリでも反応しちゃうことがあって。泥棒に入られてる時は、犯人は現場に3分もいないんで、駆けつけたところで誰もいないんです。
だから、あまり怖いということはないんですけど。
逆に住人がいるはずなのにセンサーが24時間感知してないって時も確認に行くんです。
あ~~~、住人がまったく動いてないのはおかしいってことか!
だいたいは入院とか実家帰ってるのにセンサー切り忘れてるだけだけど、実際に亡くなってたケースもあります。
1人は老衰で、1人は風呂で脳にきて倒れてました。
それが嫌だったの?
もちろん恐怖心はありましたけど、そういう困ってる方を助けるのが仕事ですからやりがいはありましたよ。それより猪苗代に来たいって気持ちが強かったんです。
生活していて、なにか嫌なことがあった時に、ポンと頭に浮かぶのは猪苗代。
そんな時に出会ったのが國分さんだったんです。
西村屋の館主やっちゃんに「こっちで働きたい」って何度も言ってたけど、はじめは冗談と思ってたみたいです。
でも、去年2016年に猪苗代の役場の試験受けたことで、本気なんだって分かってくれて。
やっちゃんから國分さんに話があって繋がりました。
西村屋のやっちゃんから「11月に電話させるから」って話しがあったんですけど、電話かかってきたのが1月1日ですよ!
「正月にそんな電話って、こいつなめてんのか」って思いましたよ!
さすがに正月三が日は外そうと思ってたんですけど、やっちゃんに聞いたら「國分さんさんなら大丈夫だから」って!
まあ、なんか國分さんなら大丈夫な気がしますね。
すごく長ったんですよ、電話も!根掘り葉堀り。
正月から観光協会のこと聞かれるなんて誰が思います!?
でも、最後に「また質問あったら電話してくださいね」って言ってましたよ
なんだなんだ、優しいじゃないですか~~
あまりにも必死だったんですよ、吉井!
なにも分からなかったし、絶対猪苗代来たかったから必死になりますよ。
それで猪苗代の役場の地域おこし協力隊に受かって、今年の4月からやってます。
仕事が辛い時に思い浮かぶのが猪苗代だったって言ってましたけど、具体的にはなにが浮かんでたんですか?
西村屋の館主やっちゃんをはじめ西村屋の皆さんの顔ですね。大好きなんですよ。
やっちゃんは今年50歳で僕は24歳。年は離れてるけど仲良しです。
でも、こんなに仲良くなったのは最近ですよ。教育実習で1ヶ月逗留してから。
それまではどんな感じ?
お客さんと旅館の人って関係。
やっちゃんって呼ぶ前は名前すら呼んでなかったですね。すいませーんって呼んでた。
それが今では「やっちゃん」「かずま」の関係。
そうなるとこっちも嬉しいですね。心許してくれてるのかなって。
だからやっぱり、西村屋さんに限らず中の沢温泉に、猪苗代に、福島に、たくさん人が来てほしいですね。
やっぱり震災後からお客さんは減ってるんですか?
減ってますね。
たとえば中ノ沢温泉で言えば、震災前はすべての旅館に常時100人ぐらいはいたって聞きます。老人クラブとかサークルとか団体客が常にいるような感じです。
でも今は団体客がごっそり減ってます。
具体的なクレームがなくても、団体の場合はその中の誰かが「福島は…」って言うかもしれない。そういうリスクがあるなら、とくに強いこだわりがなければ栃木でも群馬でもいいわけで、そっちに流れてしまう。
これは中ノ沢温泉に限らないでしょうけど、震災前に貯めた資産を潰しながら細々とやってる旅館も多いです。「出来ればやめたい」と言ってる人もいるし、何か変われるきっかけを作りたい。それを別視点みたいなところとやりたいんです。
誰かにとってのやっちゃんになろう
吉井さんみたいに行きつけの旅館の人との関係で、移住にまで踏みこむのは珍しいかもですけど、人との繋がりが出来ないと2回3回と同じ観光地には行かないかもしれませんね。
1ヶ月生活始める前に、2泊3日で福島下見を2回しましたけど、國分さんに案内してもらったらいつもの取材とはぜんぜん違いました。
地元の人が情報くれて、いろんな人と繋げてくれると、旅も取材もグッと深まったのを感じました。
そういう意味で、吉井さんにとってのやっちゃんが僕らにとっての國分さんですよ!
國分さんはやっちゃんですよ!
……俺がやっちゃん
旅において人と出会うってのは、やっぱり大きいんですよ。
たとえば愛知県犬山市に「パブレスト100万ドル」って喫茶店があるんです。サービス過剰な面白いマスターがいて、コーヒーしか頼んでないのにサラダやお団子、ワインにサンドイッチが出てきて、お土産にカツ丼まで持たせてくれる。それで500円。
名古屋からもちょっと距離がありますけど、マスターに会うためにわざわざ犬山に何度も行ってますもん。
ゆくゆくはそういう場所を作りたいですね。
店主との繋がりがあって会いたくて、県外からたくさんお客さんが来てくれるような場所。
最近、僕らはスポットというよりそこにいる店主やオーナー、つまり人間自体の面白さに着目してるんですね。
珍スポットを「館主の精神がありありと具現化した場所」って捉えてるんですけど、そういう意味で、スポットの面白さの解説を通して、人の面白さを解説してるとも言えます。
今回の1ヶ月住みます会社では、福島にいる人の面白さを感じて書いていきたいですね。
國分さんや吉井さんも誰かにとってのやっちゃんになれたら、その誰かにとってはここが何度でも行くべき場所になりますよね。
なれるならなりたいです。
僕はここにずっといるつもりなので。
この1ヶ月住みます会社のレポ記事には2人もたくさん出てもらいますし、最終的に「吉井さんに会ってみたい、國分さんに会ってみたい」って福島に来る人があらわれたら面白いですね。
はい!
というわけで「福島県猪苗代町1ヶ月住みます会社」を実施するにあたってのきっかけとなったお二人との座談会でした。
今後の記事でもお2人はじゃんじゃん登場するので、気になった方は以下のアカウントをフォローして、さらに「猪苗代行くから会ってみたい!観光地を案内してほしい!」という場合はメッセージを送ってみてくださいな~。
お2人とも誰かのやっちゃんになるべく、ウェルカムですよ!
twitter:日本きっかけデパートコンビニ(@nihonkikkake)
facebook:吉井和磨
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「福島県猪苗代町一ヶ月住みます会社」やってるよ!
2017年9月12日~10月12日の1ヶ月間!
観光会社「別視点」は福島県猪苗代町に移住してるよ!!
猪苗代を起点にして、福島県を掘って掘って掘りまくり、記事を更新しまくる。
スポンサード by おでかけSNS「Deaps」
「福島県猪苗代町1ヶ月住みます会社」をスポンサードしてくれてるのは、おでかけSNS「Deaps」。
ディープなスポットがたっぷり載ってる、おでかけ情報アプリ!
猪苗代1ヶ月住みます会社の期間中、Deapsにブログには載せてない小ネタをじゃんじゃん投稿してるよ。アプリダウンロードして見てみてね~。
また、「人と人との絆」というのは、とても良いものだなぁと感じました。
僕は29年間 生きてきて、(人見知りな性格ゆえに)どこかの店主さんや店員さんと 深く親密になった経験はないですが、
普段よく遊ぶ同い年の男友達がいて、その友達と遊んでる時がとても楽しくて、
その友達と遊びに行った色んな場所(主に、テーマパーク、R-1 スポッチャ、カラオケBOXなど)が僕にとっての「また来たくなるような、思い出の場所」になっていますねー。
やたら長文になりましたが、「人と人との絆が、最高の思い出の場所を作るキッカケになる」と感じました。
ちなみに、ゲイやホモではないので ご安心を。笑
実際、ガチの48グループ好きですから。笑