
福島県石川郡浅川町にある「貫秀寺」。
現在、全国に即身仏は20数体あるが、福島県ではここが唯一即身仏を拝める寺だ。
即身仏とは、衆生救済を願い、厳しい修行のすえ自らの肉体をミイラにして残したお坊さんのこと。
あなたはこの即身仏をどうみるだろうか?
即身仏を拝めるお寺「貫秀寺」

福島県石川郡浅川町。
ここ浅川町は江戸時代から続く「花火のふる里」と知られ、阿武隈山系の雄大な自然と田園風景が広がるのどかな町である。この町に福島県で唯一、即身仏が拝める寺「貫秀寺」がある。
即身仏とは、衆生救済を願い、厳しい修行のすえ自らの肉体をミイラにして残したお坊さんのことである。ミイラ、つまり死体だ。
はじめて即身仏を見るので、少し緊張しながら寺に向かった。

寺に到着すると、少し前から小雨が降り出したこともあって、本音を言えば薄気味悪いところだなと思った。
門を抜けると薬師堂がある。ここに即身仏は祀られているらしい。お堂には鍵がかけられ、管理者に拝観希望と電話をすれば開けてもらえる。

拝観料は、大人300円。中高生200円。小学生100円。

5分ほど待つと「うほっうほっうほっ」とかけ声をつぶやきながら、管理をしている地元のおじいさんが自転車で来てくれた。


「ほっ、ほっ」と、お堂にかけあがり、鍵を開け、線香に火をつける。
想像していた以上に堂内は、キレイ。
即身仏は、そこ座っていた。あまりにも自然で、特別な感情がなにも湧かないほどだった。
なんとなく他人の家にあがったような感覚があり、線香を供えて挨拶をした。

「神聖」といえば大げさになるが、入るまでに感じていた薄気味悪さは嘘のようになくなっていた。 きれいに管理されている堂内を見て、町の方によって大切にされているというのがよくわかったからだ。
写真も「どうぞどうぞ」と快く撮らせていただいた。
「昨日も千葉から見に来た人がいるよ」とおじいさん。月に数十人、遠くは北海道や九州から拝観者が来るそうだ。


しばらくは即身仏だけをマジマジと眺めていたが、「天井絵もすごいよ」とおじいさんが言うので見てみると、たしかにすごい。色鮮やかな動物・植物・人物画が天井中に描かれていた。
疫病治癒祈願のために即身仏となった宥貞法印

▲貫秀寺の即身仏。
即身仏として祀られているのは、宥貞というお坊さん。
1591年に現在の島根県に生まれる。幼い頃より仏教に惹かれ、元服すると出家し仏道へ進みたいと両親に懇願した。反対を押し切るために断食をするほど強い意志だったそう。
23歳で出家し仏門修行に励むと、27歳からは諸国行脚へ旅立ち、江戸深川の永代寺の住職となる。
その後、最後の信仰の地となったここ浅川町で小貫東永山観音寺の住職となった。
出雲の国に生まれ、諸国行脚へ旅立ち、出羽から北陸、高野を巡った後、福島に移り住んだ。

1683 年、92歳になった宥貞は弟子に地位を譲り、流行り病に苦しめられていた村人を集め、薬師如来の十二大願を説いた。「三、七、二十一日に入滅するなり」と告げ、「我身を留めて薬師如来たらん」と言い残し入定(にゅうじょう)した。
宥貞のように疫病治癒祈願という人々のために即身仏となった例は、国内では類がないという。
いきなり即身仏になれるわけではない

即身仏になるためには、相当な準備が必要とされている。一朝一夕に簡単になれるものではないのだ。 死後も腐りにくいように肉を極限まで落とす必要がある。
普通、入定する1000日~3000日前から「五穀断ち」「十穀断ち」をする。穀物を食べない修行だ。
死後に体が固まりやすいようにと、毎日、漆を飲む僧侶もいたそうだ。もちろん人間にとって漆は毒。覚悟がすごい。
宥貞は入定前に塩を断ち、カヤやバラの実だけを食べていたという。

宥貞が入定した石棺。
即身仏になる方法は土に直接入る「土中入定」が一般的だが、宥貞は石棺に入る方法をとった。

この石棺も自分で用意したそうですよ。どんな気持ちで発注したんでしょうね。

死ぬ場所を作るわけだから、生前に棺桶やお墓を作るのとはわけが違うよね。

石棺の上におもりとして置かれた薬師如来像。

石棺には死後の湿気をとるための炭が敷き詰めてたそうですよ。
完璧な即身仏になるために、自分の体から石棺の環境までとことん準備する。
やるからには完璧にって性格が伝わってきますね。

石棺の上に薬師如来を乗せるギミックも芸が細かいよね。
即身仏、ありがたいと見るか?怖いと見るか?

はじめて即身仏を見て、そのどう感じたのか。感想を言い合った。

疫病治癒祈願で即身仏になった偉いお坊さんなのはよくわかりましたけど、正直、即身仏をどういう気持ちでみたらいいかわかりません。
やっぱり、ミイラ、つまり死体なわけで。どうしても気味の悪さを感じてしまいます。
そう思うと、どこかしら罪悪感も感じてしまうんですよ。
本当はありがたいと思わないといけないんだって。
即身仏って、感覚と意味で思うところが違うので、「迷わすな〜」って思います。

俺は岡本太郎の描いた絵を見てるときに近い気持ちだなあ。

え、どういうこと?

岡本太郎の絵って岡本太郎の生き方とかキャラクター自体も作品の一部になってるし、世間の評価がどうなってもやるんだって強い意思を感じるんだよねえ。
即身仏も生き方、死に方それ自体がこういう形で残っているわけだし、世間の評価どころか死をもいとわないってところが、なんか通じるとこがあるなって。

そうみますか。
怖さとか気味悪さは感じない?

これがもし殺されたり、事故だったり、自分の意図しない死だったら怖いと思うかも。
でも、即身仏は自分の強い意思で死んだものだから怖くないなあ。
一般的な自殺とも違って、いい即身仏になるため自分の体を何年もかけて仕上げていったということのもあるし。即身仏って意志の結晶だよね。


それにほら、ポーズも優しいおばちゃんみたいというか。もし苦しんでたらあんなポーズできないと思うんだよね。修行を積むことによって、常人よりはやっぱり苦しみを感じない体というか、意志を持っていたんじゃないかな。

読者の皆さんはどう感じますか?
「貫秀寺」の情報
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:東北自動車道 白河ICから車30分
住所:福島県石川郡浅川町小貫宿ノ63
電話番号:浅川町HP参照 ※事前に要連絡
予算:大人300円
関連サイト:浅川町HP
オススメ度:★★★☆☆
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猪苗代を起点にして、福島県を掘って掘って掘りまくり、記事を更新しまくる。
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