福島県相馬市にある高さ36mの巨大仏「百尺観音」。
35年間、1人の男が岩山を削って彫りあげた大作だ。
じつはまだ未完成。一族4代に渡って引き継がれているのだ。
デカい…
熱い……
かっけえ……
はぁ、気合入るわ………
私が羨望の視線を送っているのは「百尺観音」。
場所は福島県相馬市。大きさ36mの観音像。岩山を削りだして彫刻された摩崖仏(まがいぶつ)だ。
なにがそんなに熱くて、かっけえのか?
実はこの超巨大仏、たった1人の男が30年間かけて彫りだしたものなのだ。
信じられます??もともとは何にもない、ただの山肌だったんですよ、ここ!!
福島県猪苗代町1ヶ月住みます会社とは?
猪苗代町の地域おこし協力隊からの依頼を受け、別視点が1ヶ月間会社ごと移住!
猪苗代町を拠点に福島県全域の新たな観光地を発掘する企画だ!
期間:2017年9月12日から10月12日
【登場人物】
別視点代表/国内外巡った珍スポ1000ヶ所超え
別視点副代表/いい写真のためなら手段を選ばない
猪苗代町の地域おこし協力隊からの依頼を受け、別視点が1ヶ月間会社ごと移住!
猪苗代町を拠点に福島県全域の新たな観光地を発掘する企画だ!
期間:2017年9月12日から10月12日
【登場人物】
別視点代表/国内外巡った珍スポ1000ヶ所超え
別視点副代表/いい写真のためなら手段を選ばない
百尺観音の前には蓮池も作られている。
解説の看板を読むと、1人の男の壮絶なチャレンジが書かれていた。
・この巨大な摩崖仏を掘りだしたのは荒嘉明さん
・23歳から6年間、全国の社寺をたずね、秘仏を参拝してまわった
・昭和5年(1930年)、29歳でこの地に帰還。千体の仏像を彫るよりも1体の巨大仏を彫ろうと決意
・33年間、つるはしで山肌を彫りつづける
・昭和38年、62歳で亡くなる
熱い!ヤバいくらい熱いっすね!
はたから見れば狂気だよ、こんな決意。
人によっては無意味な行為としか思わないだろうし。
その行為に人生をかけてしまう。マジで熱いし、見てるだけでやる気が湧くわ!
これだけでも熱くて最高の生き様なんだけど、さらに熱いエピソードは続く。
・その後を2代目・荒保彦さんが引き継ぐ
・風化防止にセメント処理したり、彫刻を続ける
・昭和55年、2代目逝去
・その後をさらに3代目・荒嘉道さんが引き継ぐ
・震災で手や体の一部が崩壊
・平成25年、3代目逝去
・現在、4代目・荒洋之輔が引き継ぎ、完成にむけて資金を集めている
おいおいおい、親子代々継いでるよ!
一族4代で作りあげた観音なんだ!まだ、未完成なんだね。
初代の写真、初代感ハンパねえ……
少しでも完成資金の足しになればとお賽銭をいれ、線香をあげた。
4代目の口から飛び出す、さらなる熱きエピソード
お土産コーナーで暖簾を買いながら「いや~、しかし4代で作るなんてスゴいっすね~」と感想を話していたら「私がその4代目ですよ」と売り子さん。
4代目、荒陽之輔さんが売り子をされていた。
聞きたいことが山ほどあったので、あれこれ質問した。
――いや、すごいですね、この観音!初代には会ったことあるんですか?
初代はひいおじいさん。おじいさん、親父と繋いで僕で4代目です。
僕はひいおじいちゃんどころか、おじいちゃんにも会ったことないですよ。
――それなのに継ごうと決めたんですね!お父さんからは何か言われてたんですか
――それなのに継ごうと決めたんですね!お父さんからは何か言われてたんですか
親父から「完成させろ」とか「跡を継げ」みたいなことは言われてません。
だけど自然に自分がやれるとこまでやろうかなって思ってました。ずっとここに住んでるし、ずっと継がれてきたものだから。
この場所も好きですし、この仏さんも好きなんですよね。
だけど自然に自分がやれるとこまでやろうかなって思ってました。ずっとここに住んでるし、ずっと継がれてきたものだから。
この場所も好きですし、この仏さんも好きなんですよね。
――初代がおおむね作ったんですか
そうですね。初代がおおむね作って、2代目がモルタルで固めました。当初は岩肌が剥きだしだったので、そのままにしてると雨風で削れてしまうんです。
おおまかなラフ画はあったんですけど、今の姿とはかなり違いますよ。じっさい掘りながら修正していったみたいですね。
――初代、豪快な人だったんですかねえ
1代目は10代後半で落馬して左足を切り落としたんです。以後は片足が義足です。
その状態で仏さんを見るために歩いて、全国の寺を行脚してたそうですよ。
――ええ!?義足だったんですか!
すごいことですよね。
仏像を彫る修行をしながら歩いて回って、その道々で巨大観音を彫るための支援を募ったそうです。自分は名前を聞いても分かんないけど、海軍の偉い人とかが支援してくれてたみたいです。
――こまいの千体よりデカいの一体作ろって思ったんですよね?
各地を行脚していると戦争中のことだから金属製の仏さんは徴収されちゃうし、貴重な仏さんは盗まれたりもしていたんです。
だから、盗まれないものを作ろうって思ったみたいです。
――ええ!?義足だったんですか!
すごいことですよね。
仏像を彫る修行をしながら歩いて回って、その道々で巨大観音を彫るための支援を募ったそうです。自分は名前を聞いても分かんないけど、海軍の偉い人とかが支援してくれてたみたいです。
――こまいの千体よりデカいの一体作ろって思ったんですよね?
各地を行脚していると戦争中のことだから金属製の仏さんは徴収されちゃうし、貴重な仏さんは盗まれたりもしていたんです。
だから、盗まれないものを作ろうって思ったみたいです。
――こんなデカいの絶対盗めない!
29才でここに戻って来て、山をツルハシ1本で切り崩していった。
最初は一人だったけどどんどん協力者が増えていって、数えきれないほど人が出たり入ったりしてたそうです。
最初は一人だったけどどんどん協力者が増えていって、数えきれないほど人が出たり入ったりしてたそうです。
――相当、人間的魅力がスゴい人だったんでしょうね
僕も力には自信があるほうなんでツルハシを振ってみましたけど、10回ぐらい振って諦めました。
それほど硬くはないし、ツルハシも岩に入るんだけど、削れるのはほんの欠片ですもん。キリがなくて。
それを片足義足の初代は何十年もやってたんですもんね。
それを片足義足の初代は何十年もやってたんですもんね。
震災が起こった時、自然と人が集まってきた
「普段は入れないんだけど、もうちょっと観音様に近づいて見てみますか」とありがたい申し出をいただく。
そんなの見るに決まってる。
ヤブをかき分け、観音さまに近づいていく。ラスボス戦直前って感じだ。
仏の前、蓮池の奥に広場があった。
真下から見上げると、よりデカく感じる。
――ここまで近づくと迫力増しますね
普段は岩肌が削れたら危ないので、池を作って近寄れないようにしているんです。
ちょうど観音さまの頭の上にポケモンGOのジムがあるみたいなんですよ。流行ってた時はかなりの人が来ましたよ。
でも、かなり近づかないとジムに入れないみたいで、危ないからって断ってました(笑)
――どんなに育てたポケモンでも、この仏は倒せない!
昔は仏さんの右脇あたりから上に登って、頭らへんでピクニックしてたみたいですよ。うちでおにぎりとか食事も提供してましたから。
――もともと帽子に鏡がはめられてたんですよね?ここの情報を教えてくれたおじいちゃんが、その鏡を米兵が遊びで撃ち落としたって言ってましたけど。
いや、まさか、撃ち落としてはいませんよ!
帽子に鏡がはめられてたけど、戦後に「光ってヘリ操縦してると気になるから、出来れば外してくれないか?」って言われたそうで、それで外したんです。
――レーザービーム……。仏さまの必殺技みたいですね
僕が小学生の頃は同級生から「目からビーム出るんだろ」とか「ロボットが頭の中にいるんだろ」とか言われてましたけどね(笑)
頭の中には初代が彫った木像の観音さまが入ってますよ。
頭の中には初代が彫った木像の観音さまが入ってますよ。
――震災で一部、欠けてしまったんですよね?
地震が起こった時、家にいたんですけど「これはマズイな」と思って観音さま見に来たら、腕と胴体が剥がれ落ちてました。
地震のすぐ後、海辺に住んでる人たちが自然とここに集まって来ました。そのまま避難場所になって、警察や自衛隊もここに集まってましたね。
――パッと頭に浮かんだのがここだった。自然と受け入れられてたわけですね。
ここに逃げて来た人のなかには「観音さまに救われた」って言ってる人もいます。そうなってくると辞めれないですよね。震災後もずっとお店開けてます。
地震のすぐ後、海辺に住んでる人たちが自然とここに集まって来ました。そのまま避難場所になって、警察や自衛隊もここに集まってましたね。
――パッと頭に浮かんだのがここだった。自然と受け入れられてたわけですね。
ここに逃げて来た人のなかには「観音さまに救われた」って言ってる人もいます。そうなってくると辞めれないですよね。震災後もずっとお店開けてます。
――お客さんの数は変わらずですか?
震災後にガクッとお客さんは減ったけど、またじわじわ増えてきてます。
50年前に遠足で来て、震災後にまた来たよって人もちらほらいます。
「当時は浪江から歩いて遠足に来たよ。まだ胸元までしか出来てなかった」なんておっしゃってました。
――浪江からここまで30km以上ありますよ!まさに遠足ですね。
「当時は浪江から歩いて遠足に来たよ。まだ胸元までしか出来てなかった」なんておっしゃってました。
――浪江からここまで30km以上ありますよ!まさに遠足ですね。
クラウドファウンディングで完成させたい
――4代目は、ここからどんな作業をする予定ですか?
実はこの観音さま、完成像は坐像なんです。蓮子の上で足を組んで完成です。
修理保全して、下の岩の部分に足と台座を彫るのに資金が必要で。
何千万という額なのでなかなか手をつけられないので、クラウドファンディングなどを考え中です。
――もともと初代も寄付を募ってるわけですもんね。昔からクラウドファンディングしてたとも言えますね。
じっさい始まったときは教えてください!完成像が見たいので応援します!
震災があっても戦争があっても、修復しながら少しずつ形を変えて存在し続けるんですね。
この大仏は生きてるんだなって思ったよ。
白血球が外敵を倒して、血小板がかさぶたを作るのと同じようなことを、人間がやってあげてる。壊れて直して、その役目を代々引き継いで。それは生きてるってことだよね。
クラウドファウンディングをするさいはfacebookページでも告知をする予定。
今後の百尺観音に興味がある方はフォローして、動向をチェックしてみてね!
---------------
「福島県猪苗代町一ヶ月住みます会社」やってるよ!
2017年9月12日~10月12日の1ヶ月間!
観光会社「別視点」は福島県猪苗代町に移住してるよ!!
猪苗代を起点にして、福島県を掘って掘って掘りまくり、記事を更新しまくる。
Deapsにも「百尺観音」を登録したよ
▲こんな感じでスポットの写真・説明が出てくるよ
▲投稿ページのQRコード
「福島県猪苗代町1ヶ月住みます会社」をスポンサードしてくれてるのは、おでかけSNS「Deaps」。
ディープなスポットがたっぷり載ってる、おでかけ情報アプリ!
猪苗代1ヶ月住みます会社の期間中、Deapsにブログには載せてない小ネタをじゃんじゃん投稿してるよ。アプリダウンロードして見てみてね~。
スポンサード by おでかけSNS「Deaps」