【会津でカツ丼と言えば、ソースカツ丼！】

一般的にはカツ丼といえば、トンカツを卵でとじた物をイメージするだろう。
しかし、福島県の会津地方ではカツ丼と言えば、ソースカツ丼。
ほかほかご飯の上に千切りキャベツ、たっぷりオリジナルソースをからめたトンカツを乗せた丼メシだ。


なぜ会津ではソースカツ丼が定番になったのか。

◎さっと作れるまかない料理として、うな丼を参考にソース絡めてみた説
◎会津若松の食堂が東京のコックと共作した説

などがある。




▲これがソースカツ丼だ！


会津エリアを車で走っていると、すごい頻度でソースカツ丼ののぼりを見かける。
専門店もたくさんあるし、普通の食堂でもメニューの1つとして提供してるところが多いから、どれだけの店がソースカツ丼を出しているのか計り知れない。
おそらく100店舗はゆうに超えてるだろう。

なかでも特徴のあるソースカツ丼7つを食べたので、この記事でレポートしよう。
毎日毎日、ソースカツ丼食べてたから怖くて体重計に乗れないよ……。





この記事を読むさいのバックミュージックにどうぞ。
会津のソースカツ丼をこよなく愛する男女ユニット「LOVEカツ兄妹」が歌う「伝統会津ソースカツ丼の歌」ですわ。

ソースに漬かった～～～♪このカツ丼～～♪ドンドコドンドン丼！！！！







【会津名物ソースカツ丼7選】


ソースカツ丼界の京極夏彦「むらい」





会津のソースカツ丼はどこで食ってもやたらデカい。
30代半ばをむかえた胃腸にはなかなかシビアな物量で、あんこ型の力士めいた体系で店をずしずし後にする。
なかでも会津若松市「むらい」は横綱級のボリューム。肉の分厚さに圧倒される。







はい！





▲ロースカツ丼　1550円


この分厚さよ！


あんまり分厚すぎて、京極夏彦の文庫本揚げてるのかと思ったわ。
ステーキサイズの肉を惜しみなくまるごと揚げてる。一般的なトンカツの2人前はある。
大きすぎてご飯までハシが届かないので、トンカツを取り分け用の小皿も出してくれるよ。

会津若松「むらい」のソースカツ丼、マジでヤベーボリューム！！分厚すぎて京極夏彦の文庫本かと思った！衣がサクサクで薄いからデカいけど食べきれた。すげえジューシーで美味いぜ。#福島県猪苗代町1ヶ月住みます会社 pic.twitter.com/2zxdA2jOWd

— 松澤茂信 (@matsuzawa_s) 2017年9月15日

▲この分厚さ、動画でも見て！





テトリス棒食ってるわけじゃないからね。トンカツだからね。





ら、らめえ～、こんな大きいのお口が壊れちゃう～～って感じだね。
衣が薄いのもあって、肉貪ってる感スゴイ！
噛みごたえも抜群だし、満足感が半端ない。むちゃくちゃ好みだわ、このカツ丼。





シュッと真っすぐでプロダクト感がありますね。キレイ。
トンカツを食べているというより、ハーモニカを食べてる気分です。





ハーモニカ？？





とにかく立方体を食べてる感じです。美味いっす！






ソースカツ丼界のイチロー「十文字屋」





お次もデカ盛り系。大観音像のおひざ元にある会津若松市「十文字屋」だ。
営業時間は休日11:00～19:00、平日は11:00～14:30（火は14時まで）。平日はお昼しか空いてないので気をつけて！

滞在中3回通ったけど、人気店なのでいつも待ち客が店外に溢れていた。
でも店内は広いし、回転もかなり早いから、すぐに順番が来るので安心されたい。











▲磐梯山カツ丼　1200円

小さいサイズのミニカツ丼もあるけれど、断然おススメなのがこちらの巨大な磐梯山カツ丼だ。これもゆうに2人前はある。






食べ切れない人続出なので、お持ち帰り用パックも用意されている。残さず済むので、気兼ねなくデカ盛りメニューを頼めるぞ。






う、美味い！なにこれ！
デカさに注目しちゃいがちだけど、このカツ丼、普通に美味い！！
いままでの人生で食べてきたトンカツで一番好きかも。





食べるまでもないです。目で美味しいです。
そして食べたら、なお美味い。
またあとで食べたいって体が求めちゃいますけど、パックがあるから、それ叶っちゃいますね。







十文字屋ね、付け合わせのスープを飲んでまたビックリ。これがめちゃくちゃ美味いんだ！




は～～、ウソ、私のこの汁、美味すぎ？！
喜多方ラーメン食べてるお客さんもたくさんいるけど、そっちも絶対美味いわ、これ。





神は細部に宿るじゃないですけど、スープが美味いのは広がりを感じます。







で、餃子もヤバい。いままで食ったことない食感のゲキ旨餃子だった。




ちょ、ちょ、ちょっと！餃子も美味すぎる！
アンがトローンととろけるね。なにこれ、ティラミスみたい！





餃子の味の例えにティラミスはないでしょ……って、うわ、美味い！
アンがぱんぱんで収まりきれず、はみ出ちゃってますよ。
信頼置けるなあ、この店。





走攻守そろってる。ソースカツ丼界のイチローだわ。今度、変なTシャツ着てこよ。






ソースカツ丼界のタッキー＆翼「とん亭」





ここからちょいと変わり種ソースカツ丼に移りましょう。まずは会津若松市「とん亭」。





▲会津こだわり丼　1380円


ベーシックなソースカツ丼もある。
特に大きさをウリにしてるわけじゃないけど、当然のようにデカい。





▲ソースえび重　1380円





とん亭はこのえび重も人気メニューだ。
太くてぷりぷりな海老フライが3本ついてて満腹だ。エビ好きならこれ！







▲八重うまっソースカツ丼　1380円


今回紹介したいのはこれ。馬肉のソースカツ丼。
会津地方はソースカツ丼とならんで、馬刺しも有名。
会津の人気者が２つ一気に楽しめちゃう、タッキー＆翼みたいな欲張りな丼だ。






ここいらへんでは馬刺をニンニク風味の味噌で食べるのが定番。
馬肉ソースカツ丼にもニンニク味噌がついてくるよ。





いや、美味いんですけど、ここのソースカツ丼って衣が厚くて、ソースがひたひたに漬けられてるから、馬肉だってよく分かんないっすね。ソースと衣が強いんで。





確かに。これなら普通のトンカツでいいかなって感じ。
濃い味が好きの人はここのカツ丼、好みだろうね！






ソースカツ丼界の張本勲「なかじま」





会津若松「なかじま」には『ソース煮込みカツ丼』なる世にも珍しいメニューがある。
卵で煮こんだカツ丼とソースカツ丼を組み合わせた丼メシで、ここ、なかじまが元祖で60年以上に渡って人気を誇っているのだとか。
誰が調べたのか知らないが、一説によれば全国で5店舗しか提供してないメニューらしい。

たしかに人気店のようで、平日の来店にもかかわらず待ち客が店舗の外まで並んでいた。20分ほど待って入店。








▲元祖煮込みソースカツ丼　1050円


ソースカツ丼を卵でとじている。なるほど、この発想があったかという感じ。





う～ん、これが元となって煮こみソースカツ丼ってジャンルが発展していったんだと思うと、まあ、オリジンとして食べる意味はありますね。味はともかく、歴史を食べるってことで。





いままで食べてきたカツ丼がどれも美味すぎたってのもあるけど。ま、カツ丼だけに「喝だ！」ってことで。






ソースカツ丼界の福田和子「もりや」





ちょいと会津若松から離れた二本松市「もりや食堂」でも煮こみソースカツ丼が食べられる。
マスターは料理人歴60年の大ベテラン。料理人の先輩と全国を食べ歩き、腕を磨いた。
「よそでは食べられないオリジナリティーのあるソースカツ丼を！」と味を追求していった結果、煮込みソースカツ丼にたどり着いたそうだ。








▲かつ丼　880円




あ、美味い！同じ煮込みソースカツ丼でもぜんぜん味が違いますね。
なかじまのはソース味が前面にガンガン来るんですけど、もりやはソースがぜんぜん来ない。言われて分かる、うまく隠れて主張もある。いい使い方ですね。





ほんとだ、言われなきゃ分からないかもってぐらいの風味としてのソースだ。
この隠れっぷり、ソースカツ丼界の福田和子だな。危ない、危ない。
うまいし、見た目も美しいよ、ここのカツ丼。





▲チャーシューメン　780円



▲チャーハン　680円


ちなみにここ、ラーメン食ってもチャーハン食ってもかなりウマい。
値段も高くないし、こういう食堂が近くにあったらめちゃくちゃ行くな。






ソースカツ丼界のスティーブジョブス「道の駅柳津」






▲柳津オリジナルソースカツバーガー　380円


がらっとタイプを変えてみよう。
柳津町の道の駅「柳津」にあるのは柳津オリジナルソースカツバーガー。
卵でとじたソースカツとキャベツをバンズに挟んだボリューム満点のハンバーガーだ。





卵、美味しいですよね。
カツと卵が別個になってるこのスタイル好きですね。ソースカツだけだとしょっぱいんで、卵がワンクッション入って、僕のなかでは1つの理想形ですね。





いままで店のなかでしか食べられなかったソースカツが、片手操作で外でも楽しめる。
iPhoneに匹敵する革命。ソースカツ丼界のスティーブジョブスだ。






ソースカツ丼界のドリカム「郷」



▲チョコとんかつ、チーズとんかつ、バナナとんかつ


最後はとびきりの変わり種を。
猪苗代町「郷」のチョコとんかつ、チーズとんかつ、バナナとんかつの盛り合わせだ。







肉のあいだにバナナやチーズの塊がごっそり入っているので、やたら分厚いトンカツに仕上がっている。







真ん中にチョココロネよろしくぎっしりチョコが詰まっている。
店長さんいわく「意外と合うんじゃないかと思ってはじめた」そうだ。





すごいチョコ量だな、これ。肉で包んだTOPPOだよ。





どうですか、美味しいですか？





いや、これはもう美味しいとかじゃないよ。楽しいだよ。嬉しい楽しい大好きだよ。
とくにバナナが楽しいね。温かいバナナと肉と衣の共演が、なんだこれはだよ。
食べる？8割食べる？？





あ、いいです。





食べねえのかよ。





【まとめ】

・会津のソースカツ丼はどこもデカい！腹ペコで行くべし！
・インパクトと味、どちらも最高だったのが「むらい」だね。わざわざ足伸ばす価値あり！
・忙しい旅行中、どこか一店舗だけって言うなら「十文字屋」かな。喜多方ラーメンも美味いし。餃子も絶対頼んで！






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