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2016年7月16日から18日にかけて2泊3日で「10万円青森珍スポツアー」を実施してまいりました。
別視点ツアー初となる泊りがけのツアー。
青森に現地集合・現地解散、2泊3日のスケジュール、費用が10万円と参加ハードルの高いツアーでしたが、みなさまのおかげで催行できました!

まずは、やれたことに感謝!
参加者とわれわれ運営陣+富士急トラベル添乗員あわせて12名で、青森中の珍スポットを駆け巡ったわけです。
3日間にまたがるツアーなので、本気でがっちり書きこむと古文書レベルのレポートになるので、写真を中心に「どんな雰囲気だったのか」をお伝えいたします。 




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7月16日から18日にかけて2泊3日で「10万円青森珍スポツアー」を実施してまいりました。
別視点ツアー初となる泊りがけのツアー。
青森に現地集合・現地解散、2泊3日のスケジュール、費用が10万円と参加ハードルの高いツアーでしたが、みなさまのおかげで催行できました!
まずは、やれたことに感謝!
参加者とわれわれ運営陣+富士急トラベル添乗員あわせて12名で、青森中の珍スポットを駆け巡ったわけです。
3日間にまたがるツアーなので、本気でがっちり書きこむと古文書レベルのレポートになるので、写真を中心に「どんな雰囲気だったのか」をお伝えいたします。



●1日目「とびない旅館で芋すり餅をつくろう」

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長い長いツアーは、八戸駅で朝9時半からはじまった。
貸切バスには「別視点10万円ツアー!2泊3日珍スポ巡りまくりツアー様」と書かれたパネルがさげられている。



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ツアー特典は、パンフレットとトートバックとタオルの3点セットだ。絵柄はオリジナルのリンゴ人間。
温泉に入ったり、ちょっと外に出かけたりと「旅の最中に使えるもの」を念頭にした品々だ。
1日目からさっそくヘビーユーズしてもらえてたので、なにより、なにより。



■八食センター

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自己紹介をする間もなく、あっという間に1つ目の目的地、八食センターに到着。
新鮮ぴっちぴちな魚介類を、市場で買って、その場ですぐさま炭火で焼いて食えるスポットだ。
うめえ魚介を、たらふく食って、華々しく旅をスタートしようという魂胆である。
(紹介記事:買って4秒で炭火焼き!八戸の「八食センター」でウマ過ぎ魚介類を食べた!


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▲馬鹿でっけえシマホッケ。あぶらノッてて最高にうまい。


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市場をぐるっと一周したあと、各自のリクエストをもとに、片っ端から魚や貝を購入していった。
食べたものをざっと列挙すると、ギンダラ、イカ、ホタテ、中トロ、巨大あさり、ホッケ、ヒラ蟹、毛ガニなどなど。
魚介をおかずに、青森名物のせんべい汁をすすって、ほかほかの白米をかっこんだ。
変わりどころでは、マンボウの刺身、アブラボウズ、ムツフィレなんてのも買った。



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▲燃えさかるアブラボウズ

ムツフィレとアブラボウズは、尋常じゃなく脂がのりまくってる深海魚で、地元の人でもあまり口にしない珍魚だ。
「食べ過ぎると尻から自動的にアブラが漏れでる」という噂があるほど、脂ノリノリ。護摩業がごとく炎が燃えさかっていた。



■蕪島ウミネコ繁殖地

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移動中の車内で、ツアーの流れや参加者各位の自己紹介(「どういうわけでこのツアーに参加したのか」と「嫌いな食べもの」を聞いた)をすませ、雰囲気もすっかりなごんできたところで、蕪島ウミネコ繁殖地に到着。
1周5分程度の小さな島に、ウミネコ3万匹がひしめき合う。駐車場も、歩道も、ウミネコだらけ。ミャーミャーと大音量の鳴き声に包まれる。

(レポ記事:ウミネコ3万匹がひしめきあう「蕪島ウミネコ繁殖地」!フンをひっかけられないよう傘をさす!



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わがもの顔で道路をウミネコが歩いているので、車が立ち往生していた。まるでパレードの先導役。
すぐ後ろに鉄塊がせまっても、まるで恐れない。



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蕪島内には神社があったのだが、2015年11月に火事で焼失してしまった。
もともと神社のあった場所は広々とした空き地になっていて、その中心部には仏さまが立っていた。
そんなことを知ってかしらずか、仏さまの頭のうえにも、ウミネコたちは遠慮なく停まっていた。



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ここの最寄り駅は八戸線鮫駅。駅前には、ライオンズクラブが寄贈したサメの顔ハメパネルがある。
そして、蕪島内にはイルカの石像。 ウミネコやら鮫やらライオンやらイルカやら、動物が入り乱れすぎてなにがなんだか分からないことになっている。



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よほど形が気に入ったのか、我々の頭にとまっては、我が家のようにくつろいでいた。 数匹が頭のうえを奪い合っていた。


ウミネコに追いまわされた参加者が…


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見事、髪にフンをひっかけられ「会運証明書」をゲットしていた。
ウミネコのウンがついたというわけだ。 「メリーに首ったけ」にもそんなシーンがあったけど、ツアー開始早々、髪の毛がジェルをつけたような状態になっていた。ウェットティッシュで応急的にぬぐった。



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1つだけ屋台が出店していた。たった1つの屋台で、焼きそば、フランクフルト、チョコバナナの3品目を取り扱う。主食、おかず、デザートをカバーした、やたらとマルチな屋台。
2011年の震災を機に、屋台はこの1店舗だけになってしまい、ここまで多機能化したようだ。



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バスに乗りこむさい、やけに磯臭いなあと思ったら、駐車場のすぐ横でワカメが干されていた。線路のようだ。



■キリストの墓

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お次は、新郷村にあるキリストの墓。
「実は、キリストには”イスキリ”って名前の弟がいたんですよ~~!ゴルゴダの丘で磔にされたのは、弟でした~~!!キリストは青森に逃げて天寿をまっとうしましたよ~~~!!」 という、生まれたての子ヤギよりも足腰のガタついた理屈で、どうにか成り立っているスポットだ。



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▲ヒモを引いて鐘を鳴らすと、びっくりして虫が飛び回る

出自からしてプッルプルな存在なので、あっちこっちツッコミどころだらけ。
「キリストの墓伝承館」にある資料やらを、12人それぞれの観点からツッコミまくる。サイゼリアの間違い探しのような面白さ。
1人では気がつけなかったポイントもたくさんあって、もう3度目の来訪になるのだが、爆笑しまくった。 大人数だとキリストの墓って体験型スポットに早変わりするんですね。

(レポ記事:「キリストの墓」は青森県新郷村にある!この目で見てきた!間違いなくあった!




キリストの墓のまえには、ミニストップによく似たロゴマークの「キリストっぷ」があるんだけど、この日は残念ながら閉店していた。 
ちなみに、ツアーの下見のときに、このようなツイートをしたところ「メシ屋」という、あまりにもウマ過ぎるコメントがついた。救世主メシ屋。



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キリストっぷで売ってる、君が代ボサノバカヴァー聞きたかったな。
お客様の声「イントロだけでもぅグッと来ました!!」だって。

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駐車場にはバスケのゴールも設置されていた。
もはやこの場所はキリストの手を離れ、独自のガラパゴス進化をしているようだ。今後も定期的に訪れ、見守りつづけたいスポットである。



■大石神ピラミッド

「キリストの墓」から目と鼻の先にあるのが、大石神ピラミッドだ。 日本全国に「これはピラミッド!」と認定しまくっていた酒井勝軍氏が見つけたピラミッドだ。
酒井氏いわく、本家エジプトのピラミッドよりはるか以前、5万年前に作られた代物なのだそうだ。
八戸市新郷あたりのはちゃめちゃさは、すごい! 交通標識も『ピラミッド↑ キリストの墓→』とあまりにも壮大だ。



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▲クマとハチ、すごく怒ってる

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ピラミッドと言っても、エジプトのそれのように、三角形に積みあがっているのではない。
山の斜面に、いくつか巨大な石があって、それがどうやら人工的に配置されてるんじゃないか。
すなわちピラミッドなのではないかと主張している。



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主要な石には、名前がつけられ、説明文が付されているんだけど、それがまたざっくりしてて良い。
■太陽石:むかしは光っていて反射した太陽を礼拝したと言われている石
■鏡石:むかしは直立して表面に文字が彫刻されてあったと伝えられる
などと、「若いころはやんちゃだった」と吹かしてる酒場のおっさんみたいな巨石がならぶ。

早々と切り上げてバスに戻る派と、集合時間ギリギリまで堪能して「これはスゴイ!石川にもピラミッドがあるようなのでそっちもいきます!」とドハマりする派、参加者の意見は真っ二つにわれた。



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小銭が置けるところがあれば置く、それが日本人たるたしなみだ。

ピラミッドを堪能したら、青森県の北の突端、下北半島まで移動。
今夜のメインディッシュ、とびない旅館へ向かう。 3時間のバス移動だが、巡ったスポットの感想を言い合ったり、自己紹介の続きをおこなったりしているうちに、あっという間に到着した。



■とびない旅館  

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▲飛内さん、登場!

バスの停車音を聞きつけ、あわてて飛びだしてきた飛内さん。怒涛の勢いで、歓迎の弁をまくしたて、圧倒されるわれわれ別視点ツアー勢。
まだ心の準備も整わず、荷物も持ったままでの先制パンチだ。

駐車場で10分ほどもまくしたてられた頃だろうか、旅館内から焦げてる臭いが漂う。
「大変だ~~~~、料理が焦げちゃう~~~~~!!」と大慌てで厨房に戻る飛内さん。
どうやら椎茸ハンバーグを焼いたまま、飛びだしてきて、話しまくっていたようだ。さっそくの洗礼。 6月の下見のときも、まったく同じ経緯で、椎茸ハンバーグを焦がしていた。

(レポ記事:【下北半島最狂の宿】「とびない旅館」で怒涛のマンツーマン接客を受けてきた



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焦げたハンバーグの処理を終え「1品減ってしまいました!でも、ホタテはあります!」と戻ってきた飛内さんも入れて、集合写真。
撮影するさいも「とても恐ろしい話しがあるんですけど、聞きますか!?」と怪談話しをはじめ、まったく喋りをとめなかった。



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男性3人部屋、女性3人部屋、夫婦部屋、スタッフ部屋の4部屋に分かれる。
部屋の割り振りをしているときも「ここは座敷わらしが出る部屋で……」などとマシンガントークが火を噴いて、廊下で10分以上立ち話。 今日の飛内さんもキレにキレてる。


お土産に作ってきた、とびないビスコを手渡す。
喜んでいただけたようで「青森県知事にも送る!」と受け取ってくれた。
最近、県知事と文通しているのだそうだ。どういう人脈。



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▲コレクションルームと化した宴会場

コレクションルームと化した宴会場など、一通り館内を案内してもらったら夕食タイムである。
夕食タイムとは言っても、ただ食べるだけではない、作るところから手伝うのがとびない旅館流。
旅館でご飯を作った経験が、いままであるだろうか?
よそでは出来ない未知の体験が、扉をひらく。



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▲芋を剥いたり

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▲食材を盛りつけたり、使い終わった調理器具を片づけたり

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▲芋をすりつぶしたりした

大量の芋の皮を剥いてすりおろして、おもちのような料理「芋すり餅」を作ったり、料理の盛りつけを手伝ったり、全員で手分けして夕食をこしらえていく。
事前のツアー告知でも「とびない旅館でご飯を作ろう」と大々的に訴えていたこともあって、みなさん覚悟が決まっていたせいか、手際がいい。
なかには自前のエプロン持参の方までいて、次々、料理が出来ていく。

「飛内さん、キッチンペーパーどこ!?」
「この皿に盛りつけよう!」
「ハンバーグは焦げの部分、削って食べましょう!」
とキビキビと指示が飛びかう。
その間、飛内さんもマシンガントークに余念がなく、下北半島のゴシップネタを速射砲がごとく話しまくる。



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汁の味見をして、仕上げをする。
料理の大部分は飛内さんが作ってくれてたので、1時間ちょっとの作業で完了した。

 

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みんなで作った芋すり餅は、モチモチとした食感で最高にうまい。
ホタテやお刺身、揚げ物などなどたらふく夕飯を食べた。

夕食を食べてまったりしている一同に「男性諸君、喜んでください!お風呂に潜水艦を用意しておきました!」と飛内さんのアジテーション。「ウォーッ!」と歓声があがる。
100円ショップで購入した潜水艦のおもちゃを、より潜りが深くなるよう改造したそうだ。



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「とびない旅館といえば、銃」ってぐらい、キッチン、リビング、階段いたるところにモデルガンが置かれている。
潜水艦のみならず、お風呂場にはもちろん水鉄砲も配備されている。
試しにピュッと撃ってみたところ、真っ黒な謎の液体がでてきて、おどろいた。スプラトゥーンか。



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▲近くのコンビニに買い出しにいった

ご飯をたべてお風呂にはいったら、酒とつまみを買い出しにいって、恒例の晩酌タイムだ。
リビングでウイスキーをちびちびやりながら、飛内さんの話しを聞くのは、とびない旅館の定番プログラムだ。



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晩酌の合間にハンドメイドの地獄「下北妖怪ハウス」(詳しくは下記リンクからどうぞ)などを見せてもらって、あっという間に夜はふけ、深夜1時半。
とびない旅館に来るたび痛感するのだが、この宿は巨大な竜巻のようなもの。ひとたび飛びこんだら、その莫大なエネルギーに身をさらし、なすがまま自然の脅威に畏怖するのみ。
情報量が渦に、脳みそも身体も疲労困憊。布団に入るなり、ものの数秒で眠りに落ちた。
何度来ようがままならない。ほんとうにスゴイ宿だ、とびない旅館。

(レポ記事:【下北半島最狂の宿】「とびない旅館」で怒涛のマンツーマン接客を受けてきた


●2日目「とびない旅館の朝は、スカールDX2000からはじまる」

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とびない旅館の朝は、見たことも聞いたこともないエナジードリンクからはじまる。
朝8時。寝ぼけた頭に、スカールDX2000が直撃する。どこで売ってんだ、これ。

朝食には「バミューダトライアングルの謎を利用した納豆かけご飯」も登場した。
メレンゲになる寸前まで泡だてた卵の白身に、納豆を混ぜたもの。
バミューダトライアングルとはプエルトリコのあたりにある、船や飛行機が消えてしまう海域のこと。一説によればメタンの泡が大量発生していることが原因ではないかと言われている。
この納豆かけごはんは、白身の泡で納豆のねばり気を消失させることからネーミングしたそうだ。
やけにスケールがでかい。



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腹ごしらえがすんだら、いよいよ飛内さんガイドによる「下北ゴシップツアー」である。
非常にプライベートなゴシップネタが炸裂していたので、ここに書けるようなことはほとんどない。

この朝から「東京からわざわざ団体ツアーがやってきた!」というわけで、地元ラジオ局が取材に入っていた。
女性のプロデューサーさんがお1人で収録にきてたのだが、「この人を弟子にすることにしました」といつのまにか弟子入りさせていた。強制弟子入り。



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飛内さんのお友だちがやってる雑貨屋さんに立ち寄る。
映画やアニメのポスターが飾られていて、たしかに同じ空気が流れている。



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プラトン、ニーチェ、ゲーテなど哲学者の顔面が彫られたコップを発見し、大量買いつけした。



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▲右か左かどっちなんだ

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むつ周辺は昔、下北半島中の男たちがつどう歓楽街だったこともあり、スナックが密集してる通りや商店街がいくつもあるのだ。
飛内さんに連れてきてもらった「はまなす通り」もその1つ。



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▲白鳥が実写のアフロディーテ

とびない旅館別館も案内してくれた。
・旅館前の道路の所有権をめぐって裁判をした話し
・目の前を流れる川で水死体を発見した話し
などを語ってくれる。
こんなにもプライベートなエピソードから、地域の現状を語るツアー、飛内さんにしかできない。



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ツアーの最後に通りかかった薬局に、スカールDX2000が箱売りしていた。
ここにあったのか、見たことも聞いたこともないエナジードリンク!!


ツアー後は近所のスーパー「松木屋」で、お惣菜を買ってお昼ご飯。たまごだけのパッケージをおでんとして売る、下北のおでん感。

青森名物、イギリストースト。その派生で、イギリスフレンチトーストが売られていた。イギリスだわフレンチだわ、パッケージが青森の祭りで、味はチリマヨ。多国籍過ぎる。
地方のスーパーって面白いですよね。



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期待をいっさい裏切らぬ、濃密すぎる一夜とツアーを終え、とびない旅館をあとにした。
飛内さんにバスのど真ん中に陣取ってもらい、記念撮影。膨大なエネルギー量を誇る飛内さんを、われわれ凡夫がお相手するには、12名で対峙してちょうどピッタリなのかもしれない。
とびない旅館を旅立った車内では、みな口々に「とにかくスゴかった」「こんな宿ほかにない!!」と興奮しきりであった。



■恐山

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▲長寿の水

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余韻をひきずりながらも、バスはお次の目的地、恐山へ。
賽の河原やイタコなど、おどろおどろしいイメージがあると思うんだけど、意外なことに解放感あふれるスポットだ。
曇り空も相まって、恐山を楽しむのにちょうどいいムード。

(レポ記事:恐山で”イタコの口寄せ”してもらおうと朝7時から並んでみた



■八甲田丸

お次は、青森港に保存係留されてるメモリアルシップ八甲田丸。
青森駅のすぐ近くに係留されている。
青函連絡船として20年稼働されてたのち、観光船になっている。各所に配置された、味のあるマネキンが見どころだ。

(レポ記事:「メモリアルシップ八甲田丸」のマネキンが昭和初期を完全再現してる!


とびない旅館の感想を口々に語りあっていたら、下北半島からの3時間のバス移動もまたたく間。
価値観を揺るがすほどのスポットを堪能したあと、すぐさま車内で感想戦ができるのが、バスツアーの面白さだ。
このあたりから、あまたの強烈体験をともに過ごしたことで、スタッフふくめて12名が一体化し、一つの塊になりだした。



■浅虫温泉(辰巳館)

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 ▲2日目の宿「辰巳館」

2日目の宿は浅虫温泉にある「辰巳館」だ。女将さんたちがお出迎えをしてくれる老舗の旅館。
さすがに疲れが溜まる頃合いだろうと、普通にくつろげて、普通にうまいもんが食える、いい宿を手配しておいた。
「すごい!料理が自動的に出てくる!」「露天風呂が広くて最高だけど、潜水艦がない!」「女将さんと深夜1時半まで会話しなくていいの??」などと前日とのギャップを楽しんだ。



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部屋にかけられていた書が、漢字一文字「飛」だったのは奇跡といえよう。



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▲地元の人たちと飛び跳ねる

ラッキーなことに、ちょうどこの日、浅虫温泉ねぶた祭りが開かれていた。
4台のねぶたと化人とよばれる仮装した踊り子が、温泉街をねり歩くお祭りだ。
小規模ながら、まさかねぶたまで見れるなんて運が良かった。



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▲たまご場

24時間いつでも温泉卵が作れる「たまご場」に、生卵を漬け、20分ほど放置。
ちょうどいい塩梅になったトロトロな温泉卵は、スタッフ部屋で開催した飲み会のおつまみに。
昨夜同様、夜1時頃に解散するまで、学生時代の話しやら未解決事件の話しなど、それぞれが興味のあるジャンルの話をして、夜はふけていった。


●3日目「また、こんど、なにかのツアーで

■鶴亀食堂
 
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▲マグロ丼(中)。大は無い。 

朝食は、あえて旅館ではとらず、メガ盛りでおなじみの鶴亀食堂へ。
朝9時の入店だったが、みなさん、てんぷら丼やまぐろ丼などガッツリ山盛りメニューを食べつくしていた。 

(レポ記事:めくってもめくって米にたどりつかない!「鶴亀屋食堂」はマグロ丼が山盛りすぎた!



■木造駅
 
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しっかりエネルギーを補給したら、津軽市の五能線「木造駅」へ。
高さ17mの超でっかい土偶がはりついた駅である。

(レポ記事:全長17mの超巨大土偶がはりついてる木造駅


駅にむかう車内で「ちょっと前までは電車が来ると目からビームを出してて、いらっしゃいビームと名付けてたそうなんですが、子どもたちが怖がるので発射しなくなったそうです」と解説。
「そっか~、もう見れないのか~」と残念がる参加者に、富士急トラベルの添乗員さんが「ビーム、予約しておきました」と一言。沸き立つ車内。 ビームの予約、すごい言葉だ。


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▲マンホールも土偶イラスト

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▲少しだけ目が光っているのがお分かりだろうか

土偶の全貌が把握できる場所にズレて、待望のいらっしゃいませビームを発射してもらう。
イメージでは、ライブ演出にあるようなレーザービームが飛んでくるものだとばかり思っていたが、その実態は「少し目が光る」だけ。ほのかなホタルの光のように、むしろ情緒のある風景だ。
夜に見ると、また違うのかもしれないけど。



■斜陽館

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▲すっごい豪邸なのだ

「珍スポットが好きな人は、総じて、太宰治も好きなのでは?」との仮説に基づいて、斜陽館もツアーに組みこんでいた。
太宰治の生家がそのまま資料館になっているスポットだ。
ここに向かう途中、どれぐらいの割合で太宰好きが紛れ込んでいるか確認したのだが、ほとんどの人が「走れメロス」しか読んだことがないと判明し、仮説は崩壊した。



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▲納豆とすじこをどんぶりメシ

太宰家では納豆ご飯を食べるさい、醤油代わりにすじこを入れていたんだとか。
醤油の代用品が筋子だなんて、なんとも贅沢な話し。
このどんぶりメシを太宰丼と名付けるのは、まだしも理解できるのだが…



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大食いチャレンジで麺が4玉半もある巨大ラーメンにまで「大鍋太宰らうめん」と命名されていた。
太宰治のイメージとは。



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近くにはビジネスホテル太宰もあった。太宰治のイメージとは。



■スコップ三味線快館

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▲スコップ三味線創始者・舘岡屏風山さん

エアギターよりもはるか以前から、同じようなコンセプトの競技が青森県を発端にはじまっていたのをご存知だろうか。
その名もスコップ三味線。スコップを三味線に見立て、パフォーマンスの切れ、リズムの良さなどを競うものだ。全国の競技人口は1万人ほど。
普段、創始者の舘岡屏風山さんは日本全国スコップ三味線行脚の旅に出ているのだが、この日はお店にいてもらい、その超絶パフォーマンスを披露していただいた。



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何回か記事も書いたし、別視点ガイドでもかなり推してるけど、あまり伝わってる気がしないんだよねえ、スコップ三味線の謎の面白さ!

(レポ記事:青森県五所川原で「スコップ三味線世界大会」を6時間観戦してきた



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▲ギターショップのように並べられたスコップ

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レベル別に25種類もの技がある。
田無のスコップ三味線スナックでお話しを伺ったさいは4~5個のテクニックを教えてもらったが、本場にはこんなにもたくさんの技があったのか。
「スゴそうに見えるから難しげな名前にしたけど、覚えられない」とのこと。



■田んぼアート

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3日間におよぶ長い珍スポツアーの最後を締めくくるのは、田んぼアートだ。
スコップ三味線快館の去りぎわ、「すぐそこにある立佞武多(たちねぶた)の館は行くの?行かないと、五所川原来た意味ないよ!!俺がガイドするから行こうよ!絶対行こう!」と、強制的にプランを変更されそうになったが、なんとか死守した田んぼアートである。
いい珍スポットのオーナーは、やっぱり最高にパワフルだ。



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1993年に村おこしとしてはじまった田んぼアート。年々そのクオリティがあがっていて、今年のゴジラはここまできている。
着色はせず、7色11種類の品種を使い分け、緻密なイラストを描いてるのだ。

(詳細レポ:2015年の「田んぼアート」の題材はスターウォーズだ!稲で描かれたR2-D2を観よ!


田んぼアートを見終えたら、解散の地、新青森駅へとバスは向かう。
その道中で、1人1人が3日間の感想を述べ、連絡先を交換しあっていた。
感想ツイートは最後に貼っておくけれど、みなさん、満足していただけたようでとても安心した。
1個1個のスポットがどうというより、12人をのせて青森中を駆けめぐった中型バスそのものが、1つの珍妙な生きものになっていたのかもしれない。



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別視点ツアーでは月に3~4回、会員制サロンを開いているんだけど、このツアーはものすごく高回転でツアー→サロンを繰り返しているような感覚を抱いた。
オンとオフをひたすら回すことで、参加者も我々スタッフも混然一体ひとつの塊になり、不思議な一体感が生まれた。 平素おこなっている日帰りのツアーとは、また違う感覚。
2泊3日だったけど、途切れぬ一体感と疾走感で、長い1日が終わったようだった。

別視点ツアーのテーマは、「人」だと思っている。
われわれを先導してくれるガイドさんだったり、行く先々にいる店主さんだったり、ツアーを通じて「人」に触れ、感じてもらいたい。
それは、とても楽しいことだから。 この2泊3日のツアーでは、ガイドさん、店主を飛び越え、参加者の人となりにまで踏みこんで触れ、感じあえたのではないだろうか。
そんなことを、帰りの新幹線の車内で、ぼんやり噛みしめた。 別視点ツアー、続けていくぞー。



ツアー参加者の感想ツイート