
島中モヤイだらけの東京の離島・新島。渋谷のモヤイ像もここの石で作られた!
青い波に白く輝く砂浜が気持ちいい!
メシ、観光、モヤイという観点から観光プランを解説するよ!
この記事を片手に新島に行ってみよ~。

打ちよせる青い波……

白く輝く砂浜…

そして、モヤイ!

モヤイ!!

モヤイ!!!
犬も歩けばモヤイ像にぶち当たる島。
それが東京の離島・新島だ!
渋谷のモヤイ像もここのコーガ石で作ってるんですよ!


軽くて丈夫なコーガ石は建材にも重宝されていて、ブロック積みの建物がならぶ町並みが美しい。

道ばたに伊勢エビの殻が落ちてたのにはびっくりしたね!
それだけ海が近くにあるってことよ。

波の良さが評判でサーファーに人気だ。
かつて昭和の離島ブームのさいには「ナンパ島」として名をはせていたこともある新島が、いまはすっかり落ち着いている。
この記事では新島の見どころ、おもしろポイントを
・「新島」への行き方
・「モヤイ像」を堪能する
・「メシ」を食べる
・「観光」する
・「お土産」を買う
という5つの観点からご紹介しよう。

新島へは「飛行機」か「船」で行く!
●新島はわりと近い
そもそも新島、どこにあるか知ってますか??
Googlemapで見てもらえば分かる通り、東京からわりと近くって伊豆諸島の1つ。
便宜上、”東京から近い”と書いたけど新島も東京都ね。
大型客船でじっくりお得に攻めるか、飛行機で素早くむかうかどっちか!
●船でのんびり行く

▲さるびあ丸から東京湾を眺める
大型客船「さるびあ丸」の夜行便でのんびり行く方法もある。
竹芝ふ頭を夜22:00に出発して翌朝8:35到着。10時間半の船旅だ。2等客室ならお値段も片道5,980円と安い。
船の揺れはそんなに大したことないけど、念のため、船酔い薬は持ってると安心。アネロンかトラベルミンが効くよ。

▲2等和室
これが、さるびあ丸の2等客室だよ。
イス席と和室席があるんだけど、がぜん寝っ転がれる和室がおススメ。
ハイシーズンをのぞけば週末の船便でもかなり空いてる。テープで区切られてるけど、空いてれば広くスペース使えてのびのびできるぜ。
船内にはレストランもあるし、シャワーもある。
夜行バスとは比べものにならない快適さ。
東京湾を出ると電波が届かないし、デジタルデトックスになるのもいい。
家にいるとなんの用事もないのに、スマホいじちゃうもんね。
船での一夜はスマホを置いて、酒飲んで旅仲間と話したり本を読んだり、ひたすら暇をもてあまして寝転んだり、そんなふうに過ごす時間が好き。贅沢な10時間。

毛布は100円で借りられる。洗ってビニールに包まれてるので清潔。
船内は温かいけど、寝ると体が冷えるから毛布は借りておくといいよ。安いし。

夜が明けたら、デッキから景色を眺めるのもいいね。
●調布から飛行機で行く

調布飛行場から新島行きの便がある。
19名乗りのかわいいやつ。新島へはわずか40分で到着しちゃう。早い!
お値段は往復25,700円と船の倍するけど、そこは時間をとるかお金をとるか。

▲連絡船にしき
さらに新島から連絡船を使うと15分で式根島にも行ける。
連絡船は1日3便出てるから、新島と式根島セットで楽しめるぜ~。
それぞれぜんぜん雰囲気も楽しめるポイントも違うから2島巡り、おススメよ!
2島巡るなら、まあ2泊3日欲しいところだけど、1泊2日でも主要なところはなんとかなる。
新島に別れをつげ、6つめの離島・式根島へ。
— 東京別視点ガイド (@another_tokyo) 2018年1月2日
連絡船でわずか10分だが、えげつないほど波で揺れて、駆け上がるように船酔いになった。
でも、宿の人いわく「これぐらいは序の口だよ!」とのこと。#東京の離島1ヶ月渡り歩きます会社 pic.twitter.com/YDRid9rkGr
ただ、波が荒れてる真冬の小型船は、尋常じゃないくらい揺れに揺れた!
窓から見える景色が斜めになってたもん。
波が穏やかな日も多いけど、念のため、酔い止めは持ってこう!
●島での移動手段はどうする?
離島を旅してると、気にかかるのが移動手段。
島によってタクシーあったりバスしかなかったり、歩いて回るにはデカすぎたりまちまちなのよ。
調べるのが面倒くさいだろうから、ここで一覧で表示しときますわ。
いま借りてる軽自動車 pic.twitter.com/yvulkEidCY
— 松澤茂信 (@matsuzawa_s) 2017年12月31日
↑レンタカー借りたら注文の多いレストランだった。
★★★
【移動手段】(〇:ある △:あるけどオススメしない ×:ない)
レンタカー 〇
バス 〇
タクシー 〇
レンタサイクル 〇
歩き △(観光スポットあちこちに散ってるから徒歩だと疲れる)
★★★
レンタカーやレンタバイクのお店もあるから効率的に動きたければ借りたほうがいい。
タクシーも2社あるし、レンタサイクルでも充分な巡れるから、免許がなくても大丈夫!
「モヤイ像」を堪能する
●島中、モヤイ像だらけ!

新島はほんとにもう、あっちこっちにモヤイ像がある。
100体とまでは言わないまでも、それに近いぐらいある。
道路沿いにもあるし、宿の入り口にもあるし、路地の角っこにもある。
渋谷駅の待ち合わせ場所としておなじみのモヤイ像も、実は新島産のコーガ石製。
軽くて加工が簡単なコーガ石はオブジェを作るのに向いている。
ちなみに、モアイじゃなくて、モヤイね。
新島の言葉でモヤイは「助け合う」「共同作業する」という意味なんだって。

なんでこんなにモヤイ像だらけなのか?
クサヤ以外の名物を作って島おこしをはかろうと、昭和40年代から彫られはじめたそうだ。
当時は「新島でモヤイ像を彫るツアー」なんてのも企画されてて、観光客が彫ったものも多いそうだ。




色んな人が作っているから作風もバラバラ。
リアルな顔面もあれば、マンガチックなものもある。
好みのモヤイ像を探すのも一興だ。
「メシ」を食べる
●極上の島寿司と出会う「栄寿司」

いやあ、うまかった、栄寿司。
新島でうまい魚食べるなら、栄寿司が超おススメ!


伊豆諸島といったら島寿司ですよ、島寿司。
こいつが、んもうウマいんだ。
島寿司は刺身を醤油漬けにして、酢飯にのせたお寿司。
冷蔵庫のない時代、保存目的で生まれた調理方法で伊豆諸島全域に広がっている。
当時、島でわさびが手に入らなかったので洋がらしを使ってるよ。
ネタはメダイ、マダイ、カンパチだったかな。
むちむちのお刺身にしょう油がよく染みてて、ぱくぱくぱくぱく何個でもいっちゃう。
好き、島寿司、大好き。

岩のりとつみれの汁ものもウマい!
汁がうまい寿司屋は最高!

か~、うっま~~~~~。
伊豆諸島あっちこっちで島寿司食べたけど、ここがナンバー1かも!

僕もです!
直前にちょっとしたアクシデントがあって、心がささくれだってたけど一気に菩薩になりました。
は~~、ハッピー寿司!
●伊豆諸島民の大好物「かじやベーカリー」

▲朝7時からやってるかじやベーカリー。素泊まり組にも心強い。

▲一番人気はこの食パン!
神津島の人が言っていた。
「たまに他の島にも行くけどさ、かじやベーカリーの食パン、お土産に持って帰るとすごい喜ばれるんだよ!」と。
本格的なパン屋がない島も多い。
そんな伊豆諸島における、うまいパンの筆頭格がここ、かじやベーカリーなのだ。

焼たてのホカホカ。
お店の雰囲気も明るくて、惣菜パンから菓子パンまでラインナップも幅広い。
朝7時からオープンしてるのも素泊まり組には嬉しいよね。

おもわず手が伸びたのがドラちゃんだ。
ミッフィーちゃんのような口をしている。
いつもはご主人が作るパンだが、この日は息子さん作。
「お父さんのドラちゃんは目がくっつかない。より高い精度だ」と女将さんは自信ありげに語っていた。




チョコレートがたっぷりつまった菓子パンだった。
●焼き鳥「大三」で金目鯛のネギ間を食べよう

焼き鳥屋「大三」は観光客にも島民にも人気の居酒屋。
週末は満席になりがちだから予約しておくのがいいみたい。
島の食材を使った創作料理があれこれあるよ。

変わり種の串でいうと、金目鯛のねぎ間なんてのもある。
さっぱり塩味でうまい。1人で4串5串いっちゃう人もいるみたい。

赤イカ焼きそば。
伊豆諸島で獲れる赤イカをふんだんに使ってる。ぷりぷりよ。

くさやピザもある。
新島産のくさやは伊豆諸島のなかでも匂いが強めなんだけど、チーズとマヨネーズをあえてピザにすると食べやすいんだよね。
くさやの匂いがちょうどいいアクセントになってる。普通にうまいよ。
「観光」する
●古代遺跡のようなコーガ石の町なみ




新島特産のコーガ石で作られた街並みは、まるで古代遺跡。
ただ歩いてるだけで異世界にまぎれこんだ気分になれる。
ただ歩いてるだけで異世界にまぎれこんだ気分になれる。
特に新島北部の若郷エリアはすごいよ。建物も壁もブロック感むきだしだから。

上のほうでモヤイ像の材料として説明したけど、コーガ石は軽くて丈夫で建材としても重宝されてた。
車のない時代はブロック状に小さく切りだして、山からみんなで運んだんだって。
軽石だから見た目より軽くって、かついで運べる。島言葉で「共同作業」をモヤイと言うんだけど、まさに新島の家はモヤイで建てられたってわけ。

▲すんごい補修の歴史。刃牙のライバル、花山薫の背中かよ。

▲車庫もブロック積みだ

▲公園の切り株型ベンチもコーガ石製

▲荷物の重しにもコーガ石

▲お地蔵さんもコーガ石
●チンチロリンのサイコロと茶碗型の墓もある「流人墓」

新島の墓地はとっても華やか。
ほとんどの墓前に山から採取したり、自家栽培した花が祀られている。
海岸の白砂を敷きつめてることもあって、パーッと明るい印象になっている。
墓石はさすがにコーガ石ではないようだ。

島民たちの墓地から一段下がった場所に立つ、小さなお墓たち。これは「流人墓」。
新島に島流しされた流罪人たちのお墓だ。

罪人といっても政治犯が多かった。
文化や教養を伝え、島民から慕われた流人も多いので、島民たちのものと変わりなく、鮮やかな造花が祀られキレイに扱われている。
文化や教養を伝え、島民から慕われた流人も多いので、島民たちのものと変わりなく、鮮やかな造花が祀られキレイに扱われている。

流人墓はデザインも自由。
この墓石は生前の趣味を投影して、酒樽の形をしてる。

これはギャンブル好きの流人の墓。
チンチロリンの茶わんとサイコロをイメージしてるそうだ。


若郷エリアの墓地は、コーガ石の小屋を建てて墓石を囲ってる。

窓を覆っているのは漁アミ。
お供えものやお花を守るための鳥よけなんだって。
●コーガ石アートもあるぜ!


コーガ石が使われてるのは建物とモヤイだけじゃない!
アート作品も作られてるよ!
コーガ石の人間が何十体も海をぼんやり眺めていた。

コーガ石人間たちが見つめる先にはコバルトブルーの海。キレイ。


コーガ石のサーフィン犬はスフィンクスのような風格のある佇まい。

コーガ石のウミガメ。

俳句でも都々逸でもないカメの詩が刻まれていた。

ベンチで眠るコーガ石の少女。


コーガ石の恐竜もいる。
なんでもコーガ石で作っちゃうな、新島。
●動物園だってコーガ石で作っちゃう「いしのどうぶつえん」

コーガ石で動物園も作っちゃう!
動物が50体以上いたかな。すごい見応えあったよ。

台座には「タマちゃん、いつまでもお元気で!」。
あの十数年前に多摩川に現れたアザラシか。
なぜ、新島に!?

目の色見るともうすでに元気じゃないみたいだけど。


チーンって座ったパンダたち。


ウホッ、いい尻なゴリラ。

「…獲物、見つけた」とにっこりご満悦な表情のクマ。

妙にセクシーな、謎の動物。
1度森で出会ってしまうと、行く先々でじっと見つめてきそう。

猿の群れ。

顔ハメパネルになっている。

ワニもいるし

ゾウもいる。
●仏さまだってコーガ石だぜ「五百羅漢」


空港の裏手にはコーガ石製の五百羅漢像もひっそり立っていた。

片手に魚を握ったシュノーケリング帰りの羅漢もいる。

船のハンドルを持っていたり

舵をこいでたり、海に関連する羅漢がたくさん。
「ぐちきき郁衛院」と名付けられていたけど、とくに寺社仏閣があるでもなく、草の生い茂った空き地。
ローラスケートの練習パイプがあるだけの寂しいエリアだけど、なかなか見応えあるよ。
●古代ローマみたいな温泉が24時間入り放題「湯の浜露天風呂」

▲新島村サイトより引用(写真)
24時間無料で入れる「湯の浜露天風呂」で初風呂浴びた!
観光客好きしそうな甘めのルックスなのに、一番上の風呂は浅草「六龍鉱泉」並みの硬派な熱さでビックリこいた。強い風とゴリゴリの熱湯で良い案配にしあがったぜ~~~。
●15分で汗だくだく「砂蒸し風呂」
新島のまました温泉には砂蒸し風呂があるよ。海岸の白い砂浜をつかってる。15分もはいると全身から汗が噴きだし、ホカホカに蒸しあがるぞ。#東京の離島1ヶ月渡り歩きます会社 pic.twitter.com/UKVQ8OqM6H
— 東京別視点ガイド (@another_tokyo) 2017年12月31日
「間々下温泉」には砂蒸し風呂もあるよ。
床がポカポカに暖まっている温室で、海岸の白砂に15分も埋もれるとホカホカに蒸しあがるぞ。
サウナほどハードじゃないけど、岩盤浴よりおだやかでもない。汗がだくだく噴き出すから気持ちいね、こりゃ。
●教習所代わりの練習スポット「交通公園」

離島名物の交通公園!
三宅島にもあったけど、新島にもあるよ。新島空港の真裏だ。
教習所のない離島で、運転トレーニングするための公園だね。
S字カーブやクランクも用意されてて本格的。
ペーパードライバーがひさびさの運転をするのにも、もってこいの場所だ。

忠犬ハチ公っぽいものや首だけのモアイ像たちが、道のわきに置かれている。
脇見運転の誘惑に耐えるのも、練習のうちだね!「お土産」を買う
●自作モヤイ像を彫ろう!

新島のメインストリートにいくつか土産物屋さんがあるんだけど、変わり種が欲しいなら「前忠」がおススメだ。

コーガ石のこけし。
30年以上前に作られた売れ残りが、たまたま倉庫から出てきたデッドストック品だ。
30年以上前に作られた売れ残りが、たまたま倉庫から出てきたデッドストック品だ。

自分だけの超レア土産をゲットするなら、これだね!
モヤイ彫刻体験!1000円!
もう現在は採掘しなくなったコーガ石を彫れるんだな。これは貴重。

前忠商店のご主人さんがレクチャーしてくれる。
もともとコーガ石を切りだす職人さんをしていて、趣味でモヤイ彫りもしてたんだとか。

見本になるモヤイ像。
忠実にマネをしてもいいし、気のおもむくまま自由に彫ってもいい。
そんな細かくは彫れないから、目鼻口、髪型あたりをバシッと目立たせるのが良さそう。

石の破片が飛び散るのでエプロンを装着。
いらっしゃいませ。客をむかえる側になってしまった。

まずは好きなベースを選ぶ。

石片を飛び散りづらくするために、軽く水で湿らせる。

で、彫る。
すっごい柔らかい石だからノミでさくさく削れちゃう。
硬さのレベルは冷蔵庫から出したばかりのみぞれアイスと同等。ぜんぜん力いらないよ。

カメラマンの斎藤さん。
満開のアロエとあいまって「才能が芽生えた瞬間」みたいだ。

彫りはじめてから小一時間、完成したモヤイ像だ。
左のマヌケそうなモヤイがわたくし松澤作で、右のやたらリアルなのが斎藤作。「縄文人をイメージしました」とのこと。
彫ってる間も楽しいし、いい土産になるな~。
●己に勝つ「牛乳せんべい」


伊豆諸島には牛乳せんべい屋さんがちらほらある。
牛乳、砂糖、バター、小麦粉などで作る甘いせんべいだ。
表面には焼き印で俳句や詩、かわいい動物なんかを各島ごとに刻んでる。
新島の牛乳せんべいはミルキーな味わいと打って変わった「己に勝つ」の勇ましいセリフ。
店主が通ってた高校の校訓だそうだ。

牛乳せんべいを食べて、己に勝とう!
まとめ
まとめてみよう!
・新島はやっぱり海がキレイ!白い砂浜が美しい!
・コーガ石の町並みが古代遺跡みたいで雰囲気抜群。パブリックアートもたくさんあるし。
・特に若郷エリアは歩いてるだけで楽しいね。
・王道だけど夏場に来て、観光と海水浴どっちも楽しむのが鉄板かな。
・海に入らない季節なら式根島とのセット、2島めぐりがいいよ。
ポイントはそんなとこかな。
「東京の離島1ヶ月渡り歩きます会社」とは

この離島まとめ記事は「東京の離島1ヶ月渡り歩きます会社」の企画で取材したものだよ!
ボノ株式会社が運営するサイト「まち応援」のスポンサードのもと、2017年12月16日~翌1月16日の1ヶ月間、東京の離島を渡り歩いた。
◎企画概要:「東京の離島1ヶ月渡り歩きます会社」やるぜ!会社ごと移動しまくる!
◎企画概要:「東京の離島1ヶ月渡り歩きます会社」やるぜ!会社ごと移動しまくる!