12

みはしのあんみつをこよなく愛するライターかとみさん。
とあるイベントで2日間、みはしの魅力を話し続けたら……。彼女の身に、重大な変化がおとずれます。

(著者:かとみ




2019年2月に開催されたマニアフェスタ
私も「みはしのあんみつマニア」として出展させていただいた。
 

01
 
マニアフェスタとは・・・100組のマニアが一同に集結するお祭り。
マニアの研究成果をつめこんだ同人誌やグッズの頒布、マニアの視点を楽しくインストールできるワークショップやトークライブなど盛りだくさんの内容となっている。

 

2回目の開催にして来場者数はなんと約3000人。大盛況!
ありがたいことに私のブースにも大勢のお客さんが立ち寄ってくださった。
 
 

02

私の胃袋におさまってきたあんみつで飾りつけたブース。
公開胃袋は遠目からでも目に止まりやすいのか、立ち寄ってくださるお客さんも多くて嬉しかった。
 
 
 

みはしのあんみつについてよく聞かれること

 
イベント中によく聞かれた質問があったので、いくつかピックアップしてみたい。
  


◆これって梅ですか?
  
03

あんみつに乗った緑色の丸いもの、若桃である。
見慣れないフルーツにみなさん興味津々だった。
若桃については以前記事で取り上げたことがあったが、改めてご説明したい。

  

04

若桃とは成熟する前の桃の赤ちゃんである。
桃の実を大きく育てるために栽培途中で間引きされた実、それが若桃だ。
中の種が大きくなる前なので丸ごとそのまま食べられる。
青梅と見た目が似ているため酸っぱそうだが、とても甘くてジューシー。
甘露煮にしており、柔らかさのなかにもサクサクとした食感が心地よい、魅惑の果実である。 
 


05

4月中は販売期間だと思うので、気になるかたは最寄りのみはしに駆けこんでいただきたい。
 
これは余談だが、今年は若桃あんみつにまつわる大事件が起きたのでお知らせしたい。
若桃あんみつは去年まで店舗限定のレアなあんみつだった。それが今年はなんと全店舗での販売になった。
しかも例年より2週間ほど早く。私は喜びで震えた。2週間の前倒しが何を意味するかお分かりだろうか。
桜アイスと若桃の販売期間がかぶるという奇跡である。
 
 

06

夢の共演。この春、私たちは奇跡を目の当たりにしている。
 
 
  
◆こんなにあんみつの種類があるんですか?
 
07

ありまーす! と声高らかに答えてしまうこの質問。
季節ものを含めると、あんみつのバリエーションは膨大な数になる。
さらに店舗限定ものや、上記の若桃と桜アイスのような販売期間のずれ込みによって起こる奇跡を加えると、可能性は無限といえるだろう。
季節がめぐって一周しても、去年と同じ構成のあんみつに会えるとは限らない。未来永劫、みはしの無限の可能性に人々は翻弄され続けるのだ。
  
  
 
◆あんこがあんまり好きじゃないので、あんみつはちょっと……
 
このセリフを聞くと自分の体温が上昇するのが分かる。
「ちょっとそこのあなた、ほらこっちへ来て。良いあんこの話があるのよ!」
と手招きして熱弁を始めてしまう。
あんこが嫌いな人こそ、みはしのあんみつを食べてみてほしい。
実際、わたしの周りでは結構な確率で「あんこは好きじゃないけど、みはしのあんこはイケる」という人が続出している。


  
隣のブースだったドネルケバブマニアさんもこう言っている。決して洗脳してツイートさせたわけではない。
みはしのあんこ、ウケています。
 
  
 
◆お土産用のカップ入りあんみつは食べたことがあります
 
もちろんテイクアウトでもみはしのあんみつはおいしい。
しかし、それだけではすべての魅力は伝わりきっていないだろう。
テイクアウト用のあんみつは、日持ちさせる為にあんこの水分を飛ばしており、みはし特有のあんこのなめらかさを100%発揮できていないのだ。
やはり私はイートインのあんみつを強く推したい。
 
 
08

そして、とろけるあんことミルキーなソフトクリームを合わせた時の神がかったブーストを体験してみてほしい。
  
 
 
◆みはしで働いてる人なんですか?
 
09
 
ただのファンです。
「え? ファンなんですか? なんで広報みたいなことをしてるんですか?」
とよく聞かれる。

理由はシンプルで、みはしに繁盛してほしいという一心で活動している。
ぜひとも私の寿命がつきるまで繁盛し続けていただきたい。
そんな勝手な思いを抱えながら、今日も私は同人誌を作ったり記事を書くなどしてファン活動に精を出している。
 
 

イベントを終えて気づいたひとつのこと

イベント中は同人誌の売り込みをほとんどしなかった。
何をしていたかというと懇願していた。
 

「お願いですから、一度でいいのでみはしへ行ってみてください」
「上野本店ならこの会場から歩いていけるので……!」

 

そんなことを去り際のお客さんの背中に向けて100回以上は言った気がする。
なんなんだ、と思われたかもしれない。私自身も混乱していたのだ。

確実に言えるのは、みはしの説明をするたびに私の中でみはしを愛する気持ちがどんどん膨れ上がり、最終的にはメロメロになっていったこと。
お客さんにみはしの魅力を説明しながら、私ったらみはしのことこんなに好きだったのね……と自分の気持ちに気づいてしまったのだ。
 

「みはしのあんみつが好きで書いた同人誌です」
「もうみはし以外のあんみつでは満足できない体になってしまって」

「歳をとったらみはしの近所で静かに余生を過ごそうと思っています」
「ただただ、好きなんです、みはしが……」

 

プロポーズである。2日に渡って何時間も公開プロポーズをし続けた。
そんなことをした人間がその後どうなるかお分かりだろうか。
 
走り出していた。
イベントが終わり、打ち上げにも参加せず会場を飛び出した。
 

10

ここから徒歩で上野本店まで20分……。
電車を使えば東京駅一番街店まで15分……!
東京駅一番街店のラストオーダーは……よし、間に合う!
 
 
 
11

1分1秒でも惜しかった。
今すぐ胃袋でみはしのあんみつを抱きしめたい!
 
キャリーバッグのタイヤをギャンギャンいわせながら、みはし東京駅一番街店にピットイン。
注文はすぐに決まった。いや、降りてきた。人は極限状態に陥ると自然に最適なあんみつが意識に浮かんでくるらしい。
降臨したのは、いちごクリームあんみつ、さらにソフトクリーム追加、求肥トッピング。
 

 
今までで一番おいしいあんみつだった。いつだっておいしくて食べてきたが、ちょっと段違いだった。
幸福感で全身に力が入らない。しばらく空になった器の前でぼんやりした。
周りのお客さんはニコニコしながらあんみつを口に運んでいる。

ここにいるみんなにみはしが愛されている、そう思うとお客さん全員が同志のように思えた。ひとりひとり握手して回りたかった。本当にみはしって素晴らしいですよねって!
完全に精神がキマってしまった。
 

 

おわりに


今回イベントに参加して気づいたこと、それは好きな気持ちを言葉にすることの大切さだ。
自分の気持ちを再確認することで、胸の中の情熱はいっそう燃え上がり、言えば言うほど愛しくてたまらなくなる。
なかなか自分の好きなものを発表するのは勇気がいるが、こういうイベントに参加してどんどん発言していきたいと思った。
貴重な機会を与えてくれてありがとう、マニアフェスタ。
 
愛してる、みはしのあんみつ。
  

12