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2019年4月13日におこなわれた
銭湯マニア塩谷歩波と行く!「銭湯4軒巡りバスツアー」
のレポートマンガです!
1日4軒の銭湯に入るハードコアなツアーなのだ。






【著者】

河澄かるめ
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フリーのイラストレーター。渋いものとカエルが好きです。



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先日行われた「銭湯マニア 塩谷歩波と行く!銭湯4件巡りバスツアー」に参加した。1日で4カ所の銭湯を巡るという、ハードなホッカホカツアーだ。

旅行ではよく温泉に行くが、普段は家のお風呂で十分と思っているため、日常生活で銭湯へ行くことはめったにない。3ヶ月に1度行く程度。
1日で4カ所の銭湯を巡るとなると、わたしは1日で1年分銭湯に浸かることになる。
濃い〜1日になりそうだ。

ガイドをつとめるのは銭湯マニアの塩谷歩波さん。
先日あの情熱大陸へ出演されたお方だ。すごすぎる。涙腺が弱すぎて放映5分で感極まって泣いた。
ちなみにプロフェッショナルは冒頭でスガシカオのイントロが流れると泣く。



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この緻密なイラストをみてほしい…!

俯瞰で描く技法を用いて、寸法もきっちり計測して描いている。
写真では表現できない、イラストだからこその構図だ。
気が遠くなるような作業であることは一目でわかる。塩谷さんの銭湯にかける情熱は本当にすごい!

先日出版された塩谷さん著「銭湯図解」にサインをもらう気満々で、本を持参し、意気揚々と参加した。



銭湯巡りツアーのスケジュールはこんな感じ。


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改めてみるとなんだこの1日は…!?

銭湯をはさむツアーはあれど、銭湯だけを巡る特化型ツアーはとても珍しい。
どんな1日になるのかドキドキしながら当日を迎えた。



1軒目 交互浴の聖地!小杉湯で番頭体験


まず最初に訪れたのは小杉湯。
塩谷さんが働いている銭湯で、高円寺から徒歩5分の場所にある。


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男湯に集合。
堂々と男湯へ突入できるのなんか嬉しい。

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銭湯の入り方や小杉湯の説明をする塩谷さん。
小松さんが杉並区の銭湯を買い取ったので小杉湯という名前らしい。完全に小杉さんの湯かと思っていた。

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塩谷さんの話を真剣に聴く大人たち。

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ここでは番頭体験もおこなった。
開店前の番頭さんがやっている仕事をみんなで体験!
タオルの畳み方やシャンプーの継ぎ足し方をみんなで学ぶ。

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タオル畳む大人たち。

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このバスタオルはひとつ6000円する代物らしい。持って帰りたい。



実際に入浴剤を入れる瞬間にも立ち会うことができた。
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じわぁ〜っとどんどん色が変わっていく!



泡だて器で生クリームをかき混ぜているようだった。

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小杉湯のなかで1番好きだったのがこのミルク風呂。
ミルクの香りがもうたまらなく良い。 バスへ戻った後もほんのりとミルクの香りが続いていた。この味のケーキ美味しいだろうな~。
来年、家庭用にミルク風呂の入浴剤が発売予定ということで、絶対に買う。



週替わりで替わる湯もあった。今日は梅の湯。
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桜の木の皮の湯も。さくらもちのようないい香りがする。

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今回特別に銭湯の裏側も見せてくれた。貸切ツアーだからこそできる体験だ。

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壁一面には塩谷さんのイラストがずらりと並ぶ。塩谷さんのアートギャラリーのよう。
全裸でブラブラと眺めたい。

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見学や番頭体験が終わり、いよいよ入浴タイム!

小杉湯は、水風呂の気持ち良さから「交互浴の聖地」とも呼ばれている。
銭湯ビギナーのわたしには交互浴というもの自体がなんなのかよく分からなかったが、熱湯と水風呂に交互に入ることで自律神経が整えられ血行が良くなるらしい。

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脅威の末端冷え性としてはぜひ体験してみたい。
宇宙を体現し、真理を得たかったが無難に初心者コースを選んだ。

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まずあつ湯で体を十分にあたため、いよいよ初水風呂へ。
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つ、冷た…!


いや覚悟はしてたけど…え…冷た…!?

初めての水風呂は、間違えて冷え切った湯船に足を入れてしまった時みたいな感覚。

しかし冷たさに我慢して肩まで浸かっているとだんだん喉がスースーしてくる。

ちょっと気持ちいい…!長く入っていられないけど…!
宇宙は見れなかったが少し悟ることができた。


小杉湯は銭湯兼塩谷さんのアートギャラリーという新しい形のエンターテイメント。
古き良き部分は残しつつ、ニーズに合わせ積極的に新しいことも取り入れる、素晴らしい場所だった。



小杉湯を出て、バスへ戻るとポカリが用意されていた。

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入浴後のポカリ..最高…!
キンキンに冷えてやがる...!!
お茶でも水でもなくポキャリ…!!!!ポッキャリ…!!わかってらっしゃる…!
美味しすぎてグビグビ飲む。


バスの振動が心地よすぎてさっそくウトウトしかけたが、ここでツアーの主催者である、別視点代表の松澤さんから改めて挨拶が。
立って話す松澤プロ。絶対足に磁石ついてる。

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みんなが寝る前に塩谷さんが今日巡る銭湯について丁寧に解説をしてくれた。
確かに後半は絶対眠くなるしすでにスヤスヤしてる人もいる。こんな初っ端からウトウトするツアーも珍しい。



元銭湯のつりぼり店でお昼ご飯!


お昼ご飯の場所である旗の台つりぼり店に到着。

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かわいいイッヌがお出迎え。こうめちゃん。

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ここは以前銭湯だった場所で随所にその名残りがみられる。
昼食も銭湯にまつわる場所とは…!
さすが銭湯巡りツアー。徹底している。

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実際に釣りを楽しむお客さんも。鯉が釣れる。

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昼食はお好み焼きともんじゃ焼き。
塩谷さんが華麗な手さばきで作ってくれた。
圧倒的ホスピタリティ

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ホスピタリティ焼き



素朴な味でとても美味しかった。お昼ご飯時も、塩谷さんのサービス精神を垣間見ることができた。

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真っ黒なお湯!昭和風情が漂う蒲田温泉


プールの授業と給食を終えた後のような心地いい疲労感に包まれながら、2軒目の銭湯である蒲田温泉へ到着。
ここの銭湯は昭和の雰囲気がそのまま残る場所で、真っ黒な黒湯が有名。

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赤じゅうたんがまた昭和チックでイイネ〜〜〜。

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上の階は宴会場になっていてカラオケも楽しめる。
去年の忘年会がたまたまここの宴会場だった。泥酔しながらUSAを踊ったことをふと思い出し、記憶をかき消した。


さっそく蒲田温泉の名物、黒湯に浸かる。
ブラックコーヒーのように本当に真っ黒!!
草や木の葉の成分が地下水に溶け込むことにより黒い湯ができるそうだが、特に匂いはしない。鍵とか落とすと探すのが大変そうだ。


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蒲田温泉にはサウナもある。
サウナは苦行という先入観が強く、今までの人生でも数回しかいったことがなかったが、せっかくなので入ることにした。
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砂漠かな?
サウナは熱狂的なファンが大勢いるが、サウナビギナーのわたしにはまだ苦行としか思えなかった。もうサウナイキタクナイ…

ツアー参加者の人のなかには、サウナファンも多く、ここの水風呂はぬるいねという話で盛り上がっていた。さっきは氷水かと思ったが、次はぬるさを感じられるだろうか。
サウナから出て、汗をぬぐい恐る恐る水風呂へ。


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北極かな?
初心者にはぬるさを感じられない。はやく「ここの水風呂ぬるいわぁ〜〜」と言える玄人になりたい。



まるで宮殿!?ロココな銭湯「クアパレス」


続いての銭湯は船橋にあるクアパレス。ここは珍スポットとしても有名な場所で外観がすでに銭湯とは思えない。

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なかも装飾が豪華すぎる。

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巨大なテレビが。綾瀬はるかが大画面で映し出される。

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ツタンカーメンまである。ゴージャスの極み。

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脱衣所も同じようにきらびやかな装飾で埋め尽くされており、浴室内も今日巡った中で1番広かった。 壁には南の島のようなモザイクタイルが。


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女湯には奥へと続く謎の通路があった。
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奥は市民プールのシャワーみたいに、四方八方から水を浴びせられる謎のスポットだった。



5馬力ある爆裂ジャグジーも。

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もはや痛かった。10秒で限界に達した。
このジャグジーは何度も使うと電力が落ちるという。どんだけ強いんだ…。 

クアパレスに実際に行った際はテレビの多さにもびっくりしてほしい。家電量販店なみにテレビが置いてある。色々とツッコミどころ満載でたのしい銭湯だった。



最後の銭湯、薬師湯に向かうバスの車内で、別視点ツアー恒例のビンゴ大会が。

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景品は塩谷さんの銭湯イラストが描かれたクリアファイルや、蒲田温泉のオリジナルTシャツ。クリアファイルはもう同じデザインは今後作る予定がないもの。Tシャツも近々新デザインに変わるということで、どちらもレアものだ。

わたしは持ち前のくじ運の無さにより当たることはなかったが、町内会でしかやる機会のないビンゴ大会のドキドキ感を楽しめた。



スカイツリーの目の前!サービス精神旺盛な薬師湯


ビンゴ大会が終わると、夜行バス並の静けさに包まれながら最後の目的地へ到着。みんなすやすや寝ている。
締めの銭湯は墨田区にある薬師湯。ライトアップされたスカイツリーのように色が変わるタワー風呂がある。

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店主がプロ野球ファンとのことで、球団をイメージした日替わり湯も。毎日行っても違う湯を楽しめるのいいな。
今日はヤク○トスワローズをイメージしたモロッコヨーグルの湯。

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湯に浸かっているとお店の女の子が入浴剤を持ってきた。
場が一気になごみ、身も心もほかほかだ。

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そして名物のタワー風呂。スカイツリーを模した風呂で通常は2時間おきに色が変わる。
今回は特別に1時間の間に青・紫・乳白色と色を変えてくれた。サービス精神旺盛だ。

インスタ映え湯なのに、写真が撮れないのがもどかしい。

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薬師湯には、店主が研究を重ね作ったトムヤムクン風呂もあるという。
ココナッツレモンやとうがらしの入浴剤を調合し、エビはお客様!らしい。
想像がどえらいことになっている。いつか入って全身でタイを感じたい。

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最後にお土産をたくさんくれた。

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こうしたあったかいおもてなしで、身も心もほかほかした。


外に出て、上を見上げるとライトアップされたスカイツリーが。タワー風呂からのこの景色は最高だった。夜風も気持ちがいい。

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その後薬師湯の店主さんがおすすめしてくれた中華料理屋さんで打ち上げ。

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4件銭湯を巡った後の中華料理は最高だ。
ひたすらみんなで銭湯の話をする。日常生活で、ここまで銭湯で話が盛り上がることないので新鮮だった。

この後5件目の銭湯に行ったツワモノはいたのだろうか。いたら、ぜひ知らせてほしい。



おわりに


今回のツアーは銭湯をバスで巡ることで、合間に寝ることが出来るし効率的に巡ることもできる点が良かった。
自分で銭湯を巡ろうとしてもあちこち行くのは大変だし、近場しか巡れないし湯冷めもする。

銭湯に浸かっているときも、ご飯を食べているときも、バスの車内でも常に銭湯トークが繰り広げられた。年齢や性別問わず、同じ趣味を持つ同志たちとこうして情報交換ができたり、語り合えるところが特化型のツアーの魅力であり醍醐味だと思う。
塩谷さんの銭湯ラブっぷりもひしひしと感じることができた。銭湯に入れば入るほど元気になっていく特異体質ということで、最後までパワフルにガイドをしてくれた。

銭湯では人を思いやる気持ちが大切ということも身をもって感じた。
自分がされたら嫌なことはしない、逆に自分がされて嬉しいことはする。銭湯を通じて人との触れ合いをもっと大切にしたい。
1日中これでもかというほど銭湯をめぐり、ホッカホカのめぐりズム体験ができた。
すっかり銭湯の魅力にはまってしまったので、個人的にも銭湯巡りをしようと思う。いつか交互浴やサウナで深く整いたい。


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営業時間 15:30~25:45
場所 杉並区高円寺北3-32-2 
電話03-3337-6198
定休日 毎週木曜日


営業時間 10:00〜25:00
場所 大田区蒲田本町2-23-2
電話03-3732-1126
定休日 無休 


営業時間
 【釣り堀】
平日 13:00〜18:00
土・日・祝日 10:00〜19:00頃
【荏の花カフェ】
平日 11:30〜14:30、17:00〜22:00
土・日 10:00〜22:00

場所 品川区旗の台2-4-4
電話 03-6426-9271
定休日 毎週火曜日


クアパレス
営業時間 15:00〜24:30(土日祝は14:00〜)
場所 船橋市薬円台4-20-9
電話 047-466-3313
定休日 無休


営業時間 15:30~26:00 
場所 墨田区 向島3-46-10
電話 03-3622-1545
定休日 毎週水曜日