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長野県にあるカッパの博物館
「おもしろかっぱ館」
のレポートだ!カッパのモニュメントだらけ!






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長野の「おもしろかっぱ館」にはメッセージ性の深いかっぱたちがいた!

長野県の南部に位置する駒ケ根市には「おもしろかっぱ館」なるものがある。
『おもしろ』と自らハードルを高くするストレートなネーミングがツボ。

駒ケ根市は山々に囲まれた自然豊かな田園都市で、数々のかっぱの民話の残るかっぱの里として知られる。
駒ヶ根市の町おこしもかねて作られたのが「おもしろかっぱ館」だ。
ノリで長野県に移住し約1か月。長野の珍スポットを開拓すべく行ってきた。


車を走らせるとのどかな風景にとつじょとしてかっぱの形をした建物が。
めっちゃこっちみてる。

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駐車場にかっぱ達のモニュメントがあったのだが

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・・・味わい深い・・・。児童館のようなかっぱの建物にそぐわないモニュメントだ。


ちかくには木彫りの熊ならぬ木彫りの河童が。
何かを握りしめお地蔵さんのような穏やかな表情をしている。

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機能しているかもわからない、手作り感満載のかっぱポストも。

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中に入る前からカオスさをにじませるおもしろかっぱ館。さっそく入り口へ。

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テレビに映るてづくり紙芝居を観賞!

館内を見学する前に、まず小学生の男の子がつくった手作り紙芝居をビデオでみる。
駒ヶ根市に伝わるかっぱ伝説「かっぱの妙薬」の紙芝居だ。
テレビに映るかわいらしい紙芝居と女性のナレーション。

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「かっぱの妙薬」物語を簡単に説明すると

江戸時代、中村新六という男の母親が痛風に悩まされていた。
ある日新六が川の近くを馬に乗って通ったところ、いたずらかっぱが馬のしっぽに跳びつき、馬ごと淵に引きずり込もうとした。
かっぱは驚いた馬に引きずられ、馬のしっぽにからまってしまう。
かわいそうに思った新六はかっぱを解放し、今後絶対いたずらをしない約束をした。
助けられたかっぱはお礼に痛風の妙薬「かげんとう」の作り方を教えてくれ、新六の母親はすっかり痛風が良くなった。
中村家では以後150年間もの間、薬を販売してきた。

というものである。
いや、かっぱがなんで痛風の薬のレシピを知ってるのかが謎だし実際に薬売られてたんかい!
まさかのノンフィクション!?とツッコんでしまった。
信じるか信じないかはあなた次第です。

ビデオ鑑賞後、下の階へと進む。



かっぱの妙薬の展示室

1階には先ほど見た紙芝居の「かっぱの妙薬」の展示室がある。
物語にも出てきた川を再現した空間があったが、いろいろ置きすぎてもはやなにがなんだかわからない。

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瞳孔開きすぎガッパも

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かげんとうは昭和初期までほんとうに作られていたものらしい。
かげんとうの由来や製造に関する資料が展示されていた。

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全国から寄せられた申込書や感謝の手紙も。
ラブレターのアツい想いはかっぱに届いてるだろうか。

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かっぱのご利益を得られる小石拾い

1階の別の展示室へと移動。
…とそのまえに廊下に「木の河童」という作品が展示されていたが、どのへんがかっぱなのかまったくわからない。私の想像力が足りないのか…。

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明らかに前世会議室やんという展示室へ入る。

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もしくはここでいつも会議が行われているのか…かっぱに囲まれた会議…。


ここでは全国からコレクションされた、様々なジャンルのかっぱグッズが並べられていた。

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そして、気になるのがこちら。
開運河童なるものがあった。な、なんだろうこのただよう胡散臭いオーラは…!

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無造作に転がっているのは近くにあるかっぱ神社で採ってきたという石。
まずお願いをしたい河童の下の石を採る。わたしは卑しいので恋愛成就と商売繁盛の間にあった石を採取した。

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そしてこの袋に小石を入れるとお守りになるそうだ。

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チャック付きビニール袋に入った写真と石のお守り。シュールすぎて逆に最先端。


この写真のかっぱはカッピーといい、実物のカッピーも金を貢げば買うことができる。
高校の運動部の女子たちがつけていそうな手作り感満載のフェルト生地でできている。
1人ぼっちで吊るされ悲しげな表情をするカッピー。

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かっぱへの信仰心は薄いが果たしてかっぱのご利益はもらえるだろうか。



メッセージ性が深すぎるブロンズ像たち


続いて2階の展示室へ。
ここにはかっぱのブロンズ像がずらりと並んでいる。

まず目についたのは『仲良し』というタイトルのブロンズ像。
かわいらしいタイトルなので、こんな感じの像かな?と思いきや

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実際

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タイトルを丸ゴシック体で書くべき像ではない



続いて『かっぱシーソー』

これは響きからして可愛い気がする。

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実際

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どういう感情で鑑賞したらいいのか。



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解説を読むと、人生の分岐点を表現しているみたいだけどなんでシーソーなの…!?


ほかにも
『地球を喰らう者』

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いや人間が地球を食い物にしてるならかっぱをモチーフにしちゃだめじゃない・・・?
そこツっこんじゃいけないとこ・・・?



『無実の罪』

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重い…足枷ついてますやん…


『自由を束縛するもの』

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社会的批判にかっぱ利用するのやめたげて



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だんだんとかっぱがかわいそうに思えてくる。
そしてひときわ目立っていたのがこの像。



『現代の呪縛』

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でかい。まずサイズがでかい。人間の大人の等身大くらいある。


そして解説が重い。でかいアンド重い。インパクトしかない。

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表情もまた切ない。なにかを諦め微笑む河童殿。

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番号までふられてるよ…囚人扱いだよ…

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いろいろと考えさせられたし、なにより人間界の社会的批判に利用されるかっぱへの同情心が生まれた。
このフロアがある意味で一番おもしろかった。



まとめ


かっぱの妙薬の展示品からはじまりかっぱ神社の石拾い、社会的メッセージの強いブロンズ像と、果たしてターゲット層はどこなのかと思った。
おもしろかっぱ館はファミリー向けの娯楽施設というより、公共の真面目な資料館のような施設で、河童記念資料館とかのネーミングのほうがしっくりくる感じ。

かっぱのからくり人形やかっぱおみくじとかがあったらもっとおもしろいだろうな。

しかしかわいいかっぱやリアルなかっぱなどかっぱ好きにはたまらない、さまざまなジャンルのかっぱを楽しめる場所だった。
かっぱに興味がある皆さん、ぜひ一度駒ケ根市でかっぱと触れ合ってみてはいかがでしょうか。


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住所: 〒399-4232 長野県駒ケ根市下平2426-1
開館時間: 午前9時~午後5時 (12月~2月 午後4時30分閉館)
休館日: 月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)年末年始(12/29~1/6)
観覧料: 一般(高校生以上)200円[団体割引 150円]小中学生:100円[団体割引 70円]